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中同協の動き
「中小企業家しんぶん」 2013年 2月 5日号から

【金融円滑化法終了】

取引先・景気への影響を懸念
19同友会が緊急影響調査を実施


 中同協では昨年末から各同友会に「中小企業金融円滑化法終了についての緊急影響調査」の実施を依頼。19同友会から2443名の回答が寄せられました(1月28日現在)。その概要を紹介します。

 「貴社では、円滑化法施行(2009年12月4日)以降、金融機関からの借入について『貸付(返済)条件の変更』を行ったことはありますか」の設問では、「ある」が16・9%、「ない」が78・1%となっています(図1)。

図1 「貸付(返済)条件の変更」の有無

金融機関の変化は?

 「貴社の取引金融機関の対応で、最近変化したことはありますか」の設問に対しては、「変わらない」が73・6%で一番多くなっています。「よくなった」は11・8%、「悪くなった」が5・9%でした(図2)。

図2 取引金融機関の対応

 またこの設問で「よくなった」「悪くなった」と回答した方に、どのような変化か記入してもらいました。「よくなった」回答では、「担当の方の対応 が良い。売上増加に向けたアドバイスをくれる」「利率を下げてきた。各銀行からの借入れ提案が多くなった」「経営指針書発表会に支店長を毎回呼んでいるの で、借入などはスムーズに行える」などの回答がありました。

 一方、「悪くなった」回答では、「貸しはがしを強いられている。先般も一部返済させられた」「貸し渋りが多い」「プロパーでの融資が行われなく なった。企業を育てようという姿勢がない」などの声がありました。また「弊社は顧問先500社以上抱える税理士事務所ですが、金融機関からの融資条件が厳 しくなっています。業績の良いところでも連鎖倒産を恐れて新規融資が降りにくくなってます」との動向も伝えられています。

円滑化法終了の影響

 「円滑化法終了で、貴社への影響は生じると思いますか」の問いに対しては、「影響があると思う」が22・8%、「影響はないと思う」が46・5%、「わからない」が28・9%でした(図3)。

図3 円滑化法終了の影響

 さらに「影響があると思う」と回答した人にどのような影響か聞いたところ(複数回答)、「取引先の倒産」が40・3%で一番多く、以下「景気低迷 による受注減少」(31・1%)、「貸し渋り」(28・6%)、「資金繰り困難」(26・6%)、「新規融資不可」(22・5%)の順となりました(図 4)。

図4 円滑化法終了による影響の具体的内容

 「円滑化法終了後、どのような金融支援施策が必要と思いますか」(複数回答)の問いに対しては、「国・地方自治体などによる公的融資制度の充実」 が46・9%で一番多く、以下「信用保証制度の充実」(29・1%)、「円滑化法の期間延長」(25・8%)、「金融機関によるコンサルティング機能の強 化」(21・8%)、「再生支援協議会などによる企業再生支援の強化」(17・8%)の順となりました(図5)。

図5 円滑化法終了後に求められる金融支援施策

中小企業を柱にした政策を

 国・地方自治体などへの要望・意見としては、「中小企業の資金繰りは大変なところがあります。実態に合せて適切な金融施策及び支援が必要」など、 金融支援施策の充実を求める声が多く寄せられました。また、「連鎖倒産が起きないように健全な企業の保護支援が必要」など、円滑化法を利用していない企業 も含め、連鎖倒産防止を求める意見も多く見られました。

 さらに「景気浮揚策を行ってほしい」「新政権に対し、中小企業憲章の確実な理解と、継承、具体的施策の実施を求めたい」などの声にも見られるよう に、国を挙げて全力で景気回復に取り組むこと、そのためにも中小企業の振興を柱にすえた経済政策を推進することを求める意見が多数見られました。

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