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各地の動き

「中小企業家しんぶん」2001年10月25日号より

取引先倒産・廃業の影響あり32.5%
―厳しさに追い討ちかける金融問題(京都)


 流通大手のマイカルが民事再生手続きを申請した影響を受け、京都市に本社をおき全国に8支店・営業所をもつ印刷・企画関連業の第一紙行が同19日に民事再生手続きを申請しました。第一紙行は京都の関連業界に人材と技術を送り出してきた位置にあり、マイカルとあわせてその影響が心配されています。

 京都同友会では、この問題を契機に9月24日、1,700社を対象に「金融問題・経営課題緊急調査」を行い、228社が回答しました。

 マイカルの影響を受けたとする回答は9.6%(22社、うち2社が直接取引)、第一紙行では6.1%(14社、うち4社が直接取引)で、影響を受けたとする27社中、印刷関連が10社、繊維関連が4社となっています。

 また、取引先の倒産・廃業などの影響が「ある」企業が32.5%、「ない」が62.3%となり、3社に1社が大規模事業所だけでない事業閉鎖の影響を受けており、問題の深刻さがうかがえます。

 一方、京都では2つの信金が破たんしましたが、「今年に入って金融機関との取引で困ったことがあった」とする企業が実数で42社(18.4%)ありました。内容は「新規・追加融資が断られた」「追加担保の要請があった」「経営改善計画書などの文書提出要請があった」などがあげられています。

 政府の唱える不良債権処理の行く末が懸念される中、金融機関の自社にたいする格付けを「聞いた」企業は18.9%に留まり、資金繰りは「やや窮屈」(35.1%)と「窮屈」(19.3%)が合わせて半数を超えています。

 回答者からは「取れるものは預金の解約をさせてまで回収にかかるように銀行の態度が変わった」「なぜ健全な中小企業まで圧迫されるのか」など金融機関の姿勢について問題が指摘されています。なお主たる取引金融機関は地銀が50.4%、信金が47.8%、都銀が11.4%(一部複数回答)と地域金融機関に大きく依存し、運動の取り組み方に大都市圏と違う工夫も必要となっています。

 現在の経営の問題点は、@同業者間の価格競争(59.2%)A取引先・売上の減少(49.1%)B民間需要の停滞(41.2%)と続き、価格競争から売上減少という構図が浮き彫りにされています。また今後の経営の力点では、@新規受注の確保(62.7%)A付加価値の増加(49.1%)B財務体質の強化(31.6%)が上位にあげられています。

 京都同友会ではこの調査結果をもとに、今後の行政や金融機関との懇談に臨むとともに、経営相談室で会員企業の相談に応じています。

 

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