中小企業憲章と私

「今度は憲章学習会に行ってみます」

大阪同友会中之島支部 馬場 正之((株)ビー・エヌ社長)


 「中小企業憲章? 何かとっつきにくい」。支部の中でよく聞く反応です。もちろん私も最初は同じでしたが、知らないことがあると取りあえず聞いてみたい性格です。2003年に福岡で行われた中同協総会で、三井逸友先生の「欧州小企業憲章にみる21世紀の中小企業政策」の分科会を選んで以来、できるだけ憲章に関する学習会や分科会には参加するようにしてきました。先日、支部の中で憲章に対する私なりの理解の仕方をお話しする機会がありました。

 将来、国会で採択させようという大きなロマンの中小企業憲章にこめられた内容で、一番大きなポイントは、そこで暮らす生活者の視点―「人間らしい暮らしのできる社会を作り、守ろう」という思いが込められているところではないでしょうか。

 ピラミッド型の産業構造が、ある日突然そのてっぺんだけが海外に行ってしまった。「残された土台部分で働き暮らす多くの人々はどうすればいいの?」

 選ぼうとしている選択が、ヨーロッパに習う「地域循環型社会」という憲章の目指す姿だと思います。

 私たちは、金融アセスメント法制定署名運動を通じて「声を上げれば変えられる」「やればできるやん」を実感し、自信を持ちました。この自信と確信を、中小企業が支える社会、中小企業の発展が人々の暮らしを守る大きな保障となる、そんな循環型地域社会づくり、国づくりの運動につなげていきたいものです。

 経営理念の実現を目指す会社づくりが同友会理念を実現する地域づくりになり、その理念が実現すれば憲章が目指す国づくりの実現につながる―だから今われわれが進めている運動と何ら違った方向ではないんだと思います。

 このようなお話しをさせていただいたところ、支部会員の中に「今まで憲章学習会の案内が来ても何かよう分からんので参加しなかったけれど、今度は行ってみます」との声を聞き、大変うれしく思いました。これも小さな憲章実践のはじまりかナ…。

「中小企業家しんぶん」 2007年 2月 15日号から

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