中小企業憲章と私

「経営者としての姿勢」と憲章

富山同友会 となみ野支部長 近江 清((株)フォー・シーズン・ズ社長)


 中小企業憲章と私を結び付けるのは、「経営者としての姿勢」です。

 確固たる方向性を見いだせないでいる経営者や、外部の環境に流され、倒産・廃業となる経営者を出してはいけません。家屋敷を投げ出し、会社の全保証をして行き場のない所へ追いやられ、最後は命を絶つ。私は、憲章とはそのような経営者にしないことだと確信します。そのためには、「経営指針を成文化」し、「実践」しなければなりません。これしか無いのです。

 また、「悪徳商人にはならない」と同友会は宣言しております。まだ、中小企業の経営者には、心無い人がいます。これは、事実としてとらえておかなければなりません。このような経営者も、救ってあげなければなりません。さもなければ、中小企業からの要望・要請は、行政や各方面からは、自分たちだけ(経営者)の経済的地位向上としか見られません。

 現在、富山同友会は、2010年までに、県内事業社数の会員シェア5%(666社)を目指しております。この意味することは、行政、政治、教育、金融等へのイニシアティブに繋がるからです。

 行政は、中小企業者の真の要請が分かりません。資金の斡旋ばかりです。共に学び合う関係を作り上げるべきです。政治家も、広く浅くのマニフェストです。中小企業問題に精通する議員が少なすぎます。

 教育に至っては、親も先生も、大企業に行かせることが自分たちのステータスで、そこには子どもたちが存在しておりません。

 金融に至っては、皆さんご経験済みでしょう。中小企業は、お金も人もなく、生産性が低く、利益率も当然低いのですが、国民の経済的基盤を守り、納税額も大企業と変わりません。

 会員シェア10%になりますと、われわれの要望・要請をとり上げなければならなくなります。憲章や振興条例が制定されれば、行政は、中小企業優先の政策をとります。

 国の政治は、中小企業省を設置し、大臣が生まれます。教育では、義務教育から中小企業の役割・体験が教育課程に入り、就職も地元の優れた企業に斡旋します。産学官連携も進むでしょう。金融は、「金融アセスメント法」の目的がすべてです。

 このことが、わが社の成長の阻害因子や障害を取り除き、地域への貢献や国民の暮らしを守る。そして、「世界平和」へとつながるのです。

「中小企業家しんぶん」 2007年 7月 15日号から

このページのトップへ ▲

同友ネットに戻る