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【15.04.15】【憲章・条例ニュース】松浦市中小企業振興基本条例が施行 中小企業を育てる「エコノミックガーデニング松浦」【長崎】

 2014年12月に施行された「松浦市中小企業振興基本条例」の第12条には「松浦市中小企業振興会議」を設けることが記されており、長崎同友会の北松浦支部からも2名が参加し、4月よりスタートしました。

 まず、2月16日に振興条例制定の周知と地域が一丸となって進むべき方向を模索すべく、松浦市が主催、同友会が共催という形で、拓殖大学の山本尚史教授をお招きして、「中小企業を育てるエコノミックガーデニング」をテーマに中小企業振興基本条例制定記念講演会を開催しました。

 山本教授がエコノミックガーデニング手法についてわかりやすく説明され、地方都市の課題として(1)限界企業、(2)事業承継の低調、(3)第2次産業での雇用縮小、(4)第3次産業での非正規雇用の拡大、(5)所得の減少など、地域企業と地域経済の悪循環にはゾッとする未来が待っている、と語られました。

 中小企業にとって仕入れ難民事業者が仕入れコストの上方に気づかないまま、事業倒産に至ったケースはたくさんあります。

 そこで、(1)地元の事業者の内発的発展、(2)事業者が自らを「高付加価値化する」、(3)地域内資金循環が必要であり、中小企業振興基本条例と企業変革支援プログラム、エコノミックガーデニングを3点セットで進めていくことが重要です。 条例とはビジョンづくりであり、その点では、街づくりにも経営指針づくりが必要であると感じました。

 エコノミックガーデニングの成功事例であるコロラド州リトルトン市では15年で就業者数130%増、市の税収190%増という結果が出ています。「双方向の情報力強化、ビッグデータの活用、地理情報システム、統計データの地図上への表示やコーチング、メンタリングなど長期的に取り組み、進取の精神が旺盛な中小企業が長生きして繁栄するようなビジネス環境をテーラーメイドで構築することが大切」とのことでした。

 また、松浦市では3カ月に1度山本先生が振興会議に参加することになっています。

 市民総ぐるみによる街づくりの基本ベースに条例があり、目指す街としての同一認識になるという大切さを実感した講演会でした。

長崎同友会 北松浦支部 支部長 池野 晋一

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