【09.06.18】「関西を同友会の力で元気にしよう」~関西ブロック代表者会議と支部長交流会

中小企業憲章制定へ向けて~関西ブロック代表者会議

 あいさつする田中・中同協副会長
急激な景気の悪化に新型インフルエンザが拍車をかけた関西経済。「関西を同友会の力で元気にしよう」と、関西ブロック代表者会議と支部長交流会が、6月18日に神戸産業振興センターで開かれました。

 関西ブロック代表者会議は、午前10時から開かれ、6同友会と中同協から33名が参加。中小企業憲章草案の会内討議資料にもとづき、各同友会がどのように取り組んでいくかなど意見交換しました。

まず、田中副会長が、「憲章草案には、中小企業が日本経済の根幹とあります。憲章の運動は、我々の企業が根幹を担える存在となっているかを問うているので、この運動を担っていく主体的責任もあるということを自覚して、議論していきましょう」とあいさつ。

最初に井上誠二・京都同友会代表理事が、京都同友会の取り組みを紹介し、「2005年度から重点課題として位置付け、学習運動を強化してきたこと、06年には理事会のもとに「中小企業憲章・条例推進委員会」を設置、07年には独自の『憲章・条例ハンドブック』を発行し、08年度は憲章条例レポートに取り組んだことなどを紹介。

次に中島幸子・大阪同友会代表理事が、05年から憲章本部を設置し、学習会を実施。06年度からは憲章レポートに取り組み始め、並行して自治体との懇談に取り組んできたことを紹介しました。大阪同友会として憲章レポートは、06年度218件、07年度525件、08年度824件収集され、09年度は憲章草案に対する「私の意見」1400件回収を目標に、会内での論議を広げています。

その後、山浜光一・大阪同友会事務局次長が憲章草案検討の道のりを紹介。中小企業の現状認識、大企業の役割・評価、主語の問題など、寄せられるさまざまな意見をもとに議論を繰り返して今回の内容となったことを報告しました。

報告を受けて、それぞれの同友会の行政と連携した取り組みや学習会の様子などが紹介されました。

会議終了後、各同友会として憲章運動にどのように取り組むか、代表役員と事務局長が相談し、それぞれの方針にもとづいた決意表明が寄せられました。

同友会の存在意義が問われる~関西ブロック支部長交流会に95名

 
午後からは、支部長交流会が開かれ、95名が参加しました。
開会にあたって澤田脩一・兵庫同友会代表が開催地を代表してあいさつ。次に田中信吾・中同協副会長が主催者代表として「憲章と現実の企業経営。現状と目指していくところはかい離がある。地域から当てにされる人材を育てているか、経営者自身が当てにされる人でないとそう言う人は育てられない。苦しい中にこそ、同友会の存在意義が問われている。この場で悩みを解決していきましょう」とあいさつしました。

最初に、広浜泰久・中同協幹事長が、「同友会の期待が高まる中での支部長の役割」と題して基調報告。

千葉での振興条例制定の過程で、自立的に会運営をしている同友会に対し、行政からの期待が高まり、「中小企業よくならないと地域が良くならない」との一致点で、他団体との連携も進んできたことを紹介。

地域づくりを担う支部の役割は大きく、結果も大事だが、結果を生み出す学びと実践のサイクル、プロセス・仕組みをつくること。支部長は自ら3つの目的をバランスよくすすめ、仕事を通じて社会に貢献できる企業づくりを行うこと、支部ビジョンを支部会員と共有し、自らさらによい企業になる努力をすすめることが大切であるなど、自らの経験をもとに紹介しました。また、支部づくりためのチェックリストとして、1)企業を育てる支部づくり、2)学びあえる支部づくり、3)会員が増える支部づくり、4)地域づくりに貢献する支部をめざしての4つの柱を問題提起しました。

次に、関西ブロック代表者会議での中小企業憲章の議論について、中島幸子・大阪同友会代表理事が報告。「声に出して読み上げる場をたくさんつくってほしい。議論だけではなく。自分の意見を書きとめる。声を集める取り組みを」と支部長に訴えました。

「会員訪問で見えた、本当の支部の姿」~大阪からの事例報告

 
事例報告として、「会員訪問で見えた、本当の支部の姿」をテーマに藤本英治・大阪南東ブロック長が登壇。

自らが支部長であった時代に、例会に出てこなくなった会員が倒産したことや、同友会をよく知らないまま退会していく人が出ないようにしたいと会員訪問に取り組み、毎週ファミレスに支部役員が集まってすべての会員を訪問。行けば退会になるかもしれないと言われたが、あえて出かけていき、古くからの会員に学ぶ機会もあった。会員訪問で支部の問題点(たとえば、支部例会では本音が出せていないことなど)に気づくとともに、初めのころは「退会減らしたい、支部を活性化したい」という表面的な気持ちだったが、会員の悩みを聞いたり、同友会への期待を聞いているうちに、「国民や地域とともに歩む」というフレーズが自分の中でリアルになってきたこと。事務局との連携の大切さ、支部活動を「見える化」していくこと。「会員訪問しないと会は伸びないし発展しない」ことを報告しました。

「自信を持って本気でお誘い」できる支部づくり~兵庫からの事例報告

 
次に「『自信を持って本気でお誘い』できる支部づくり~学びあいと実践、経営指針、会員拡大はすべてつながっている」をテーマに、高野直樹・兵庫同友会阪神支部長が報告。

阪神支部の歩みと自らの会社の売上高の推移を資料に、支部では「経営指針は経営者の運転免許書であり、指針なしには経営できない」として、支部内に研究会を立ち上げ、「新しい経営者と話ができることで、自分の経営に役に立つ」と会員増強も積極的に進めてきた経験を報告。支部内のブロック(小グループ)では、同友会の基本通り学べる場づくりを行えるようになった。事務局員との連携、叱咤激励がよい刺激となったこと。「役をして経営の幅が広がる。役をやってくださいと言われたら、すぐ引き受けるようになりたいもの。阪神支部の会員はすべて黒字企業と言える支部にしていきたい」と報告しました。

その後グループ討論が行われ、「情勢に負けない強い支部づくり」として、企業づくりが実践できる支部になっているか、中小企業憲章・振興条例制定などのテーマをもとに交流しました。

討論発表では、「支部長のリーダーシップが問われる」「会員同士の本音が語り合える場づくりを」「会員訪問を続けていく。e.doyuを普及していくことも大事」「支部長力を持って増強、コミュニケーションを」など交流の内容が紹介されました。

学べる支部運営委員会づくり~まとめ

まとめに立った田中・中同協副会長は、「支部の運営委員会に参加すると勉強になる、そのような運営委員にするには、運営委員自身がが同友会のめざす企業づくりを実践しているメンバーであること。支部長になったら3~4年は続けてほしい。よい会社をつくるのは経営者でなく社員。まじめに一生懸命経営していることで社員は信頼して力貸してくれる。そして自分たちの世の中は自分たちが声をあげてつくっていく。来年の交流会でまたお会いするのを楽しみにがんばりましょう」と話しました。