【14.11.06】“異次元金融緩和”の影響「感じない」が6割

“異次元金融緩和”の影響「感じない」が6割~同友会景況調査オプション項目結果発表

 中小企業家同友会全国協議会(中同協、47都道府県の中小企業家同友会会員43,753名)は、「異次元金融緩和」の影響などについて、「7~9月期景況調査」のオプションとして会員企業を調査し、1,123社分の集計をまとめましたのでお知らせします。

1. 「借入を増やした」企業は26%にとどまる

 「異次元金融緩和」によって期待されたのは資金借入環境の改善です。しかし、「金融機関からの借入資金の増減」(単数回答)を聞いたところ、「変わらない」(34%)、「借入を減らした」(24%)、「この先半年以内に借入予定なし」(15%)を併せて7割を超える結果となりました。一方「借入を増やした」との回答は26%にとどまりました。

2.金融緩和による影響「感じない」6割

 「金融緩和による影響」(複数回答)を尋ねたところ、トップは「影響は感じない」(63%)。「借入金利の低下」を挙げる企業は、企業規模が大きいほど高くなっており、20人未満(19%)と100人以上(38%)の企業の半数にとどまりました。

金融緩和による影響

3. 借入増加の条件「担保や保証人をなくす」47%

 「借入が増えるための必要条件」(複数回答)で一番多かったのは「景気の回復による設備投資意欲の高まり」(48%)ですが、次が「担保や保証人をなくす」(47%)で、金融機関の求める担保や保証といった高い壁がその需要を掘り起こす障害になっていることが分かる結果となりました。

4. 「経営者保証ガイドライン」の利用に課題

 「経営者保証に関するガイドライン」*の認知度、利用状況については、「知らない」とする回答が4割に達しました。「知っている」ことを前提とした回答では、「利用している」(10%)、「検討中」(28%)、「予定はない」(22%)となっています。「ガイドライン」実施については、「個人保証をする覚悟のない経営者を信用するのは難しいと言われた」(愛知、機械販売・修理)など、金融機関との交渉の難しさを指摘する声も多数報告されています。

*「経営者保証に関するガイドライン」とは、(1)会社と経営者の資産分離、(2)財務基盤の強化、(3)経営の透明性が確保された場合、保証に依存しない融資を検討するとの指針を策定し、本年2月から適用開始されている。