【18.11.22】談話を発表:「消費税の10%増税凍結」「入管法改正は十分な論議を」

 中小企業家同友会全国協議会(中同協、47都道府県の中小企業家同友会会員46,464名、会長・広浜泰久)は、政府の2019年10月からの消費税率10%への増税、および改正出入国管理法の2019年4月施行を実施する方針に対し、日本社会全体や中小企業経営にとって大きな影響が生じることが想定さるため、11月16日に開催した弊会の政策委員会では、以下の2点を政府等に要望することとし、以下のように11月22日に談話を発表し、国会や関係省庁に届けましたのでお知らせします。

1.消費税の10%への税率アップ、軽減税率・インボイス導入の凍結を

 世界経済は貿易摩擦の激化、新興国の通貨不安など不透明性を増しています。国内においても、実質賃金の伸び悩みや消費の停滞が長年続いており、日本経済は力強さに欠けています。このような状況の中、消費税率の10%への引き上げを実施すればさらなる消費の停滞を招き、経済停滞の長期化が懸念されます。消費税率の引き上げは凍結すべきと考えます。また「軽減税率」導入や適格請求書等保存方式(インボイス)導入による事務負担は、中小・小規模企業に傾斜的に負担となります。これらの導入を凍結することを強く求めるものです。

2.入管法改正については時間をかけ十分な審議を

 現行の外国人技能実習制度では、一部の外国人技能実習生が劣悪な労働環境のもとで過酷な労働を強いられていることが指摘されています。外国人の労働環境や人権を守るための仕組みが不明確なまま、さらに今後外国人労働者の受け入れを拡充することには大きな懸念があります。また外国人労働者の受け入れを拡充する上では、社会保障制度や国内雇用への影響、地域社会の受け皿整備など数多くの課題が指摘されており、中小企業経営への影響も少なくありません。これらの点を十分に論議しないまま2019年4月に改正入管法を施行することは拙速であると考えます。広く国会内外で十分な論議を行うことを要望するものです。

2018年11月22日
中小企業家同友会全国協議会
会   長  広浜 泰久
政策委員長  石渡  裕