第31回定時総会 1999年7月8日~9日(宣言)

総会宣言

私たちは、7月8日、9日の両日にわたり、「拓こう21世紀!日本再生をわれわれが―実践しよう!企業づくり、発言しよう!同友会」のスローガンを掲げ、第31回定時総会を東京で開催しました。総会第1日目は20の分科会で本年度の活動方針についての論議を深め、第2日目は総会特別企画「日本経済再生のシナリオはわれわれがつくる」をテーマに学びあい21世紀への展望を確かなものとしました。

本年は中同協設立30周年にあたります。日本中小企業家同友会創立から42年、さらにその源流をさかのぼれば50年を越す歴史を刻んできました。私たちは、戦後の混乱と激動のさなかにあって「日本経済の真の担い手は中小企業である」との自覚と使命感を堅持し、今日の同友会運動の基礎を築き上げてきた先人たちの苦闘の歩みに心から敬意を表するものです。同時に、日本の中小企業運動発展の中軸を担ってきた同友会運動の歴史を共有できることを誇りとするものです。

同友会運動は、運動をすすめるなかで「三つの目的」を確立し、「自主・民主・連帯」の精神にたって「国民や地域と共に歩む」姿勢を貫いてきました。この基本理念は21世紀においても不変のものであり、私たちは、新しい時代に向けて同友会理念の創造的実践に全力を傾注する決意であります。

私たちは、新しい時代のスタート地点に立ち、本総会での全論議を通してつぎの四点を確認するものです。 第一に、中同協設立30周年を機に、日本経済再生の担い手としての中小企業、その中核としての同友会運動を会の内外の期待に応えて大きく前進させます。そのためには、「同友会運動の歴史と理念に学ぶ」ことを重視し、あらゆる活動を歴史の教訓に照らして検証し、現在から未来にかけての経営と同友会運動の創造的発展をめざします。

第二に、激変する時代転換期に立ち向かえる強じんな体質の企業づくりを進めるための学びあい活動の強化と企業における実践、会内での検証活動をさらに強力に推し進めます。同友会での学びあいは、複雑に変化する情勢を科学的に解明し、労使の信頼関係を強めながら、時代をきりひらく経営力を高め、困難に立ち向かう勇気を与えてくれます。学び合う場をさらに広げ、その中身を一層高めていきましょう。

第三に、経営環境の悪化を防ぎ、中小企業経営と国民生活の向上、地域の豊かさを築くために積極的に政策提言し、行動していきます。日本経済再生のカギは中小企業が元気になることです。そのためには、中小企業重視の政治への抜本的転換を国と自治体のレベルで実現させなければなりません。

第四に、同友会が会員にとって頼れる組織であり、会外の経営者にとっても魅力のある存在となるよう組織の充実と強化に力を入れ、さらに強大な同友会づくりをめざします。早い時期に空白県に同友会をつくり、「人口10万人の都市や地域に100人の会員を」の基準で全国のすべての都市と地域に同友会の輪を広げましょう。

私たちは、改めて同友会のめざす目的と掲げる理念の歴史的普遍性に確信を持ち、視野を大きく広げ、壮大な展望を持って21世紀を真の中小企業の時代にするために力強く前進することを誓い本総会の宣言とします。

総会宣言 1999年7月9日
中小企業家同友会全国協議会 第31回定時総会