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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2002年7月25日号

▼中同協第34回定時総会で「金融アセスメント法」制定運動が、引き続き粘り強く、息長く、全国くまなく網羅する運動として確認された意義は大きい。日本経済の現状はその基盤を担う中小企業金融の抜本的改善が、焦眉の急であることを示しており、即物的にもこの法制定が一日を争う緊急課題であることに、いささかの疑念を挟む余地もない。学習が進めばこの点の理解は更に深まることであろう

▼更に、この運動がより広く、より深く進められるならば、21世紀の国際舞台で世界の良識を結集し、人類史的見地からも真にリーダーとして貢献できる素地を固めることにつながるのではないか。本欄ですべては語れないが、アセスのポイントでもある「評価」という点を考えてみる。日本人にとっての評価とは、いわば上位下達である。従って、下位者が上位者を評価することはあり得ないし、あれば反逆につながるという常識。日本人には相互に深め合う議論という文化が極めて希薄なのではないか

▼ゼロか100か。白か黒か。パッと咲いてパッと散る。かつて、ある県の知事とその県の一大有力者が対立した。県と取引のある業者が県の職員に「知事側か」と聞かれ、言いよどんでいると「味方でないなら敵だ」と言われたという。これはもはや重大な暴力だなと感じたことがあった。今、われわれが脱却しなければならないのは、こうした「ゼロか100か」の発想文化ではなかろうか。事実にたった議論をし、公正な判断で指針を考える「良識の中流階級」の一員をめざしたい。

「中小企業家しんぶん」7月25日号より


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