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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2002年8月25日号

▼ 第30回青年経営者全国交流会(青全交)の準備が鹿児島同友会の皆さんの手で着々と進められている。日本の近代化を一挙に推し進めることになった明治維新、その一翼を担った薩摩人の熱き思い、その原動力は何であったのか。今、そこからわれわれが学ぶべきことは何か

▼日によっては鹿児島市内が桜島からの降灰で真っ白になり、初めて訪れた旅行者を驚かす。そんな光景を知った上で、「我が胸の燃ゆる想(おも)いにくらぶれば、煙はうすし桜島山」の歌を思うと、鮮烈な情感がわいてくる。作者は幕末の志士福岡藩の平野國臣であるから、燃ゆる思いの主は本来は本人であるわけだが、西郷隆盛をはじめとする維新での働きを思えば、薩摩の人々への敬意を込めた形容として歌い継がれてきていると思う

▼当然のことながら、「燃ゆる想い」とは、単なる情熱を意味してはいない。前提は、国を想い、時代を変えるという高い志である。それは、科学性・先見性に裏打ちされていると同時に、国家としての完全な独立性を確かにしようというものであった。明治維新がそうであったように、時代の先を読み、時代の流れを担えるのは青年だけである

▼今、日本経済を再生するためにも、地球環境の悪化をくい止めるためにも、そのもっとも確実な方法は「中小企業立国」の実現ではないか。これは昨年の青全交で赤石中同協会長が提唱したのだが、OECDの報告が根拠になっている。日本経済の再生のみならず、全人類のための地球環境保全の道を確かにする平成維新に取り組めないか。

「中小企業家しんぶん」8月25日号より



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