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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2002年11月25日号

▼ 紅葉の美しさは冬の訪れの前触れ。通勤途上の公園の銀杏(いちょう)並木も黄金色に輝く。先日、公園のいつも鳩が群れをなしエサをついばむあたりで真っ白な鳩を見かけました

▼群れから少し離れて、おどおどとエサをついばむ様子はいかにも新参者。体形もひとまわり小さく飛ぶ力も弱い。人に飼われていたのが逃げ出したのか、セレモニー用の鳩がはぐれたのか

▼2、3日後、その鳩が空中でカラスに追いかけられているのを目撃。残念ながら手が届きません。「生きていくのは難しいのか」と諦めかけていたところ、翌々日群れの中に仲間入りしエサをつついているのを発見。次の日は仲間に劣らぬ力強さで一緒に舞う姿を見かけました。白鳩の自立です

▼今年の年末は企業にとって特にきびしい。不良債権処理の加速化は金融環境を萎縮(いしゅく)させ、取引先との信用不安を広げています。政府は「中小企業へのセーフティネットに努力する」というが当てにできる規模でも中身でもない

▼「頼れるのは自力のみ」が中小企業家の実感。しかし、自主、自力で生き抜く企業家の集団に身を置くことは、孤独で戦う企業家よりもはるかに力強い励ましを得るはず。同友会の連帯は、公園の鳩の群れより大きい。

「中小企業家しんぶん」11月25日号より


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