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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2004年 4月 25日号

▼うれしさと不安が半ばし、親に手を引かれて小学校の校門をくぐった1年生も、5月になると楽しさいっぱいで、一挙にいきいきとなる。5月のすがすがしい青空に泳ぐ鯉のぼりさながらで、芽吹きの春を飾るに共に似つかわしい

▼端午の節句というと、食いしん坊はすぐに柏餅を連想するが、江戸は柏餅で京阪は粽(ちまき)が主体であるらしい。ただ、佐渡や奄美大島の一部では柏の葉で粽ふうにする所があるというから、いろいろ入り混じってもいるのだろう。柏の葉の使い方も、もともとは小豆あんの場合は表を中にし、味噌あんは裏側を中にしていたようだ

▼粽の方は、もともと茅(ちがや)の葉を使っていたのが語源という。共に米の粉を使うが、それは事の始まりに意味がありそうである。中国の楚の国にさかのぼる。宰相屈原は、ねたまれて自殺する。その命日が5月5日で、民衆がそれをしのんで竹筒に米を入れて供えた

▼それを盗食する蛟龍(こうりゅう)の害を防ぐために、漢の武帝が蛟龍の嫌う「あふち」の葉で包み、五色の糸で巻くようにさせたのが粽の原型らしい。どうやら粽の歴史の方が古いようだが、柏餅の方はときわ木の中でもっとも大きい葉と記述があるから、皿代わりということだろう。

「中小企業家しんぶん」 4月 25日号より


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