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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2004年 5月 25日号

▼イラク情勢を見ていて、だんだん疑問を感じたり、違和感を持ち始めた人は多いのではないか。難しい議論は別として、お互いに言っていることもやっていることも、言いがかり的仇(あだ)討ちであり、基本発想は「目には目を」以外の何ものでもない

▼テロという別枠に入れられてしまった諸事件の大きな原因といわれる貧困の解消や、諸国民の融和をはかり、抜本的な平和を、という世界の願いへの道筋とは、あまりに違いすぎる、という実感。ことの是非は別として、現実的にはアメリカは世界のリーダーとしての位置にある

▼リーダーは常に受けて立ち、全体の願いの達成のために力を尽くす役割がある。しかし、ブッシュ大統領の言動からは、勝ったものが正義という、開拓時代の西部劇がラップし、自分だけが善玉という、独りよがりのダダッ子が見得を切っているようだと言ったら、言い過ぎか

▼自爆テロであれ、誤爆であれ、誤差による周辺被害であれ、政治的見せしめのための殺戮(さつりく)であれ、それを論ずる立場の人にとっては、数多(あまた)のことの1つでしかないであろうが、死者はかけがえのないたった1つの命を失っているという重い現実をなくする勇気が大切ではないか。

「中小企業家しんぶん」 5月 25日号より


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