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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2004年 12月 25日号

▼歳の瀬、2005年度が大増税の幕開けにならねばよいがと懸念が走る。与党税制協議会が来年度から定率減税を半分にすることで合意し、05年度与党税制改正大綱を決定した。今後の景気次第で見直すというがその点にも注目したい

▼文字通り「今後の」であるから、竹中経済財政担当相が端的に表現しているように「現在景気は良い」ことになる。従来から指摘されていた政府判断と地方や中小企業の実感との乖離の問題を、深刻な国民的争点にせざるを得ないのではないか。今回見送られ、06年度実施が予測される増税案はめじろ押しである

▼日本を押し包んでいる閉塞感は何から生まれているのか、政治家は真剣に考えているのかと詰問したくなる。現実の厳しさに薄れてきたものの、総中流意識は未だ残っている一方、国民のやりくりは限界に来ている。貯金の食いつぶしがそれを如実に示している

▼この上消費税が増率されたら中小企業も更に激浪にさらされると考えるのを杞憂といえるか。残念ながら取引価格は力関係で決まる。中小企業は売値を上げきれず、内税なるが故に実質的な値下げ強要が横行することにつながりかねない。真の景気づくりに全力投球の年にしよう。

「中小企業家しんぶん」 12月 25日号より


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