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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2005年 10月 25日号

▼この秋、関東は雨模様の日が多い。特に休日はほとんど雨で秋は園芸の旬と言われても手のつけようがない。傘をさし住宅街をそぞろ歩きしてみる。例年なら明るい絨毯(じゅうたん)になっている金木犀(きんもくせい)の落花も、すぐ黒ずんで土に還(かえ)ろうとしている

▼多忙な日が続き、静かに考える時間がなかった事にふと気づく。経営者は24時間稼働であり、走りながら考える事も必要な能力であるが、ふと立ち止まり、もう1つ深く考える事も求められているのではないか。多様な事から1つを生み、1つの事実から多様なヒントを得るのは沈思の所産かも

▼今、各同友会は経営フォーラムで盛り上がっている。その充実ぶりには目をみはる。ここに参加する事も立ち止まりの機会であるが、その学びを独(ひと)りでじっと深める2段目の立ち止まりが、より大きな成果を生むのではないか。学びを実践につなぐためには自社用に加工が欠かせない

▼形だけまねて済むなら、ハウツウ物を読む方が早いし失敗する人はいない。そうはいかないから本質をつかめと言われるのであろう。忙しいと自らに言い訳して、学び思索に集中する時間を省略する自分を反省することしきりである。雨も良薬と言うべきだろうか。

「中小企業家しんぶん」 10月 25日号より


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