<< 中小企業家しんぶんのトップに戻る

中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2005年 11月 25日号

▼早々と木枯らし1号が吹き荒れ、思い出したように通り雨がアスフアルトの路面を濡らしていく。街路樹の桜の根元には、役目を終えた落葉が積み重なっている。桜の落葉は1枚1枚が実に多様で、手にとり眺めていて飽きることがない

▼この時期、1年の過ぎるのがいかにも早いと感じている人も多いことだろう。経営方針が見事的中し、計画以上のペースで夢中で進んできた人、逆に焦りながら、もうこの時期かと暦を横睨(にら)みしている人など、さまざまだろう。数字にのみこだわる焦りは禁物で、大幅未達でも、冷静に根本原因の追求を優先すべきである

▼未達の場合の原因は多岐にわたるはずであるが、「世の中の状況が悪い。社員の頑張りが足りない」などは、社長の逃げ口上であろう。当面そういう環境の中で、経営を安定発展させるのが社長の責任であり、活力に満ちた社員づくり、社内環境づくりも、これまた社長の責任である。社員の何倍も社長が学ぶ必要性はここにある

▼冷夏や高温の夏もある。桜はそうした変化に耐え、成長していく。環境変化を察知し、対応するのは枝葉であるが、見えない根が活力を生み、成長を支えている。企業の根とは何なのか。

「中小企業家しんぶん」 11月 25日号より


このページのトップへ