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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2006年 8月 25日号

▼旧盆をはさむ数日間、関東は梅雨のような天気で、夏期休暇が思わぬ読書週間となった。中で深い感動と共に教えられることの多かったのが『ザ・ホールパーソン』。長谷裕代・大阪同友会副代表理事2冊目の著作である

▼長谷さんは、世界のトップセールスが集う生命保険業界の国際組織MDRTの終身会員であり、昨年から日本会の会長でもある。「業績目標だけで始める仕事は空しいし、土台のない高層ビルのようなもの。土台とは、何のために生きるかの哲学であり、哲学がなければ輝いて生きることはできない」という

▼阪神淡路大震災がきっかけで、それまで業績を追うことにいっぱいだった日常に気づく。自分だけの満足は本当の満足ではない。支えてくれる多くの人の満足を考えてこそ初めて本当の満足につながると悟ったという。謙虚であれば何からでも学べ、何からでも学べる人が成長し続ける

▼小成すると自分自身に酔い、本質を学ぶことを忘れて成長の止まる人、多くの人に支えられ生かされているのに、「自分満足」だけで裸の王様になっている人もいる。筋の通らないことを立場を楯に強行するのはいかなるトップの場合でも最悪だが、長谷さんの生き様に学びたい。

「中小企業家しんぶん」 8月 25日号より


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