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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2007年 4月 15日号

▼今年も春風と共に新卒の若人が入社してくる季節になった。就職戦線は数年前の就職氷河期からは考えられないような売り手市場に変化している。大企業は他社に負けてはならじと大量採用に舵を切り、2008年度採用に向けた企業説明会がすでに各地で華々しく行われている

▼まことに奇妙な現象で、入社式と新卒採用説明会が同時に進行している。服装もよく似たリクルートルックで、新入社員か就職活動の学生か区別がつかない。この渾然(こんぜん)とした状況の中で、中小企業はどのような求人活動ができるか。今年の採用は相当厳しいものと覚悟しなければならない。まさに同友会の共同求人活動の真価が問われる年である

▼人育ては時間がかかるものである。設備投資と違い、人材への投資は即効性がない。だから同友会では、経営指針をつくり、長期の経営戦略に基づき、共同求人でコツコツと新卒採用し、人育てをしよう、それが経営体質強化の近道、と言われてきた

▼今までに育てた人材の蓄積が、今後続く採用難の時代を乗り切るカギになるであろう。企業の盛衰は、組織の老化現象が起きたときに一気に進む。さすれば賢明な経営者は、新卒採用を怠り無きよう行うであろう。

「中小企業家しんぶん」 4月 15日号より


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