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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2007年 8月 5日号

▼中同協事務所の近くにある天祖神社には樹齢600年を超える雌雄一対の大いちょうがあります。1945年4月13日、米軍B29焼夷弾の猛攻で一帯は紅蓮の炎に包まれ、大いちょうも被災。しかし、再び繁茂するようになりました

▼昔から「いちょうは火に強い」とのことですが、戦災から焼け残った大いちょうは生きた記念碑と言えます。間もなく62回目の終戦記念日。私たちの身近に残る戦争の記録をたどり、その実相を検証することは今を生きる者の務めではないでしょうか

▼中同協が今春出版した『語り継ごう、平和への熱い想(おも)い―中小企業は平和の中でこそ繁栄する』は、本紙8月15日号の「平和特集」を中心に故庄野慎一郎氏(中同協顧問)の遺稿集等を編集したものです。「母が沖縄の記述を読んで涙を流していた」と語る女性事務局員。東京大空襲・戦災資料センター早乙女勝元館長からは「どの記録にも心に残るものがありましたが、庄野氏の戦中戦後の足跡は真実の記録だと思いました」との感想をいただきました

▼同友会運動が新たな半世紀を迎える現在、廃墟の中から立ち上がった先輩たちの戦後復興の志継承のためにも本書が広く読まれることを願うものです。

「中小企業家しんぶん」 8月 5日号より


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