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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2008年 9月 5日号

▼8月のマスコミは戦前戦後の日本を振り返る特集が組まれます。朝日新聞「夏に語る」8月16日付では、宮崎勇・元経済企画庁長官が登場。氏が経済の道に進もうと思ったのは、旧制高校の授業で「経世済民」の言葉を知ったから。経済とは、世の中を治め、人民の苦しみを救うことだと

▼しかし、政策の現場はやりがいがあっても、日々の変化に追われシステムの複雑さが加わり、貧困や失業をなくし生活を豊かにする経世済民の原点は忘れがちであったという。私たちの企業活動も目先の動きに振り回され、経営理念の原点を見失ってはならない。心すべき忠告です

▼さらに氏は、戦後日本の経済発展は戦争のないことで支えられた。新憲法のもと「非軍事化と民主化」の2つの改革が進められ、社会の活力の源泉となった。経済成長に意味があるのは、それぞれの人間の能力を生かし、みんなの生活水準が豊かになるから。今日の格差問題やワーキングプアなど「新たな貧困」問題解決の政府の役割を強調しています

▼同友会がめざす「人間尊重の企業づくり」は経世済民の理念の具現化です。戦後いち早く同友会運動の原型を立ち上げた先輩たちの偉業とも重ね合わせて考えさせられました。

「中小企業家しんぶん」 9月 5日号より


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