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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2014年 12月 15日号

▼師走の慌ただしい時期に、総選挙が始まった。与党はアベノミクス解散と言っているが争点がはっきりしない。アベノミクスの第一の矢である、金融緩和策は為替が円安に振れて株高と一部の輸出産業には恩恵をもたらしたが原材料やエネルギーなどの輸入価格は高騰した。その結果、国内産業が中心の中小企業にとっては原材料の仕入れ単価や燃料価格の上昇により収益は圧迫された

▼第二の矢の財政出動も公共工事の予算はついたが建設業界の人手不足と原材料高で入札不調多発の現象が起きている。第三の矢の成長戦略は具体的に成果をあげているものが無い

▼大企業や大都市で働く人が豊かになればやがて中小企業や地方の労働者にもその恩恵が及び日本全体の成長力が高まるという理論が政府の進める方向である。一方で中小企業や地方経済が活力を取り戻すことが持続的な経済成長につながり国民生活の豊かさを実現させるとの理論もある。同友会が進める中小企業振興基本条例を制定して地域経済の再生を一歩一歩地道にやっていく日本的成長戦略も選択肢になる

▼今回の選挙は心地よいスローガンに惑わされず中小企業家としてどの道を選ぶか、熟慮して投票したいものだ。

「中小企業家しんぶん」 12月 15日号より


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