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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2017年 11月 5日号

▼火を司ると言われる伝説のトカゲ、サラマンダー。その胴体の形に似た選挙区割を行い、所属政党に有利な条件をつくったのは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州のゲリー知事です。地図上に不自然な形で現れる選挙区は、サラマンダーとゲリーを融合したゲリマンダーという造語で批判的に称されました。1812年のことです

▼日本でも、過去に何度も小選挙区制導入で激論が交わされました。1956年の鳩山一郎内閣による提案はハトマンダー、1973年の田中角栄内閣ではカクマンダーと揶揄(やゆ)され、いずれも実現に至りませんでした。しかし、1996年の第41回衆院選は、1選挙区で複数議員を選ぶ中選挙区制に代わり、小選挙区比例代表並立制により実施されました

▼この10月22日投開票の第48回衆院選。結果報道では、圧勝した自民党は小選挙区では47・8%の得票率で、全289議席の75%にあたる218議席を獲得。一方、小選挙区で落選した候補者に投じられた「死票」は、投票数の48%にのぼります

▼「政権運営の慢心がリスク」とメディアで評される中、この「死票」が今後の政治で蘇るかどうかは、国民の手に委ねられています。

「中小企業家しんぶん」 11月 5日号より


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