全会員の黒字体質めざし経営指針成文化を となみ野支部(富山)

となみ野支部長  近江 清氏((株)フォー・シーズン・ズ社長)

―まず地域の特徴を。

近江 富山県の南西部に位置します。チューリップ、米など農業が盛んな地域です。他の産業では従来の建築・土木のほか、工場誘致が盛んで活気があります。住宅取得も奨励されていて、新興住宅地が形成されて人口が増えています。岐阜県との県境は合掌造りで有名な五箇山です。

―入会のきっかけは。

近江 友人が同友会の会員で、「おれの講演会があるから来てみないか」と誘われました。行ってみたらそれが例会でした。

 報告した友人は、こてんぱんにたたかれていましたが、半端な会ではないと思い入会しました。はじめの1年は全く出席しませんでした。2年目、幹事をやってほしいという要請を受け、月に1回は出るようになりました。

―同友会で学ばれたことは。

近江 以前の私は“いけいけどんどん”で、「社長少し待ってよ」と言われても、後ろは振り向かず、社員はついてこられない状況が続いていました。それではダメなんだ、ということに気づかせてくれたのが同友会です。

 同友会に入る前に400万円かけて作った経営理念が当社にはありました。ですから「経営指針を創(つく)る会」に誘われても断り続けていました。本当は、理念が社内に浸透していないことが気になり始めていたんですが。

 再三の誘いに、経営方針と経営計画だけ受けてみようと腰を上げましたが、結局第1講で化けの皮をはがされてしまい、経営理念を社員と共有していなかったことを痛感しました。自信満々に見えていた人間が、本当に謙虚にならざるをえなくなった体験でした。

 こういうことは多くの中小企業経営者が経験すべきだと思いましたね。

―支部活動について。

近江 幹事会では、お互いが社外重役として、経営について語り合っています。すべての会員企業が黒字体質になるよう、経営指針の成文化に取り組んでいきたいと考えています。一人ひとりの顔が見える支部活動をめざしながら、まずは会員増強です。

▼となみ野支部の概要
設立 2006年9月
会員数 49名
役員数 25名
対象地域 砺波市、小矢部市、南砺市(人口13万5000人、企業数1600社)

「中小企業家しんぶん」 2007年 8月 15日号より