組織率10%超える支部の活動より(2)【愛媛・大分】

 中同協では、地域に責任の持てる同友会づくりを進めようと、組織率10%をめざしています。前号から、組織率が10%を超える支部の活動を連載で紹介しています。2回目の今回は、愛媛・東温支部と大分・豊後高田支部を紹介します。

地域から愛される支部めざして【愛媛同友会東温支部】

 「わたしは、東温が好きです!支部を設立して地元企業が活性化して、豊かな地域社会づくりに貢献したい」―篠原治行・支部長((株)エスディー企画設計社長)のこの言葉が東温支部設立の原動力でした。

 東温支部は、2007年6月に愛媛同友会6番目の支部として誕生。東温支部が基盤を置く東温市(人口3万5279人、企業数266社、会員42社、15%)は、平成の大合併の2004年に重信町と川内町が合併し誕生しました。

 恵まれた自然環境と県都松山市の至近にある地理的条件から田園都市として発展。最近では、秋田県の劇団わらび座の常設劇場として「坊ちゃん劇場」を開設するなど、地域文化発信についても熱心に取り組んでいます。

 支部は32社の会員でスタートして、現在は42社。総会や例会には、市長や経済担当の市議会議員も毎回参加して学び合うなど、行政との関係も良好です。また、会員も地元商工団体や教育、地域振興活動関係の中心役員が多数を占めており、支部活動が地域振興に役立つことが期待されています。

 「わたしたちは同友会の学びを糧に、社員の笑顔を一番の宝物と考え、地域に愛される企業を創る事を目指します!」の支部理念を作成するなど、愛媛同友会の活動成果と地域と共に歩む支部活動をすすめてきているのが特徴です。

地域の将来を担う若手経営者集団【大分同友会豊後高田支部】

 大分同友会豊後高田支部は、国東半島の西側に位置している豊後高田市を中心に組織しています。豊後高田市(人口2万4757人、企業数283社、会員数30名、10%)は、古くは奈良時代末から宇佐神宮の影響を受け、平安時代には宇佐神宮の荘園となり、1000年の時を刻む水田は、現在も中世荘園村落の姿を一部残しています。仏教に宇佐神宮の神道を取り入れた「六郷満山」と呼ばれる仏教文化が形成され、現在でも内陸部を中心に多数のお寺があり、観光客が訪れています。

 現代では、商店街が元気だった時代、昭和30年代のにぎわいをもう一度よみがえらせようとの願いを込めて、「昭和の町」として平成13年(2001年)に町づくりに着手。新しい観光名所となっています。

 豊後高田支部は、大分同友会5番目の支部として、1987年に設立されました。初代支部長の息子である山中大成氏(九州特殊土木(株)社長)が今年度4代目支部長として就任。「(1)会員に役立つ同友会を創る!(2)委員会ごとに実践的・具体的な目標を設定し活動する(3)1年間の活動を年度末に評価し、翌年に繋げる」を方針にかかげ、大分同友会の支部では一番平均年齢の若い支部を引っ張っています。

 小さい町なので、他の団体でも活躍している会員が多く、支部総会には市長、県議などがいつも参加し、良い関係を築いています。今後は地域の中で、切磋琢磨(せっさたくま)しながらお互いの経営を強靭(きょうじん)にし、地域から当てにされる企業と同友会を目指しています。

「中小企業家しんぶん」 2009年 10月 15日号より