島原支部(長崎)

雲仙普賢岳大火砕流を乗り越えて

 11月28日、長崎同友会に7番目の支部となる念願の「島原支部」が誕生しました。母体となった「諫早島原支部」からの移籍11社を含め28社でスタート。84名が参加した設立総会では、来賓あいさつした長崎県島原振興局長と島原市長はじめ、来賓11名も臨席しました。

 記念講演は、鋤柄修・中同協会長が「私たちの地域には私たちが責任を持つ!~どんな困難にも負けない企業づくり・地域づくりを」テーマに講演。平均年齢38歳という若い支部会員に大きな刺激を与えました。

 諫早島原支部は、1994年に誕生した諫早支部が2年後に組織変更したもので、早くから「島原支部を立ち上げては」との声があがっていたものの、当時の島原地区の会員は、例会などで諫早(車で約1時間)に行くことが数少ない刺激になるとの認識から、あえて島原に支部を設立することには消極的でした。しかし、強まり続ける地域の閉塞感に危機感を募らせ始めた2代目、3代目となる経営者が、「同友会で学ばなければ」と支部設立を決意。準備会を重ね、2回の「同友会を知る会」を開催(2回のゲストのべ42名)。設立総会当日も1名の入会があるなど、期末40名会員を目標に、支部活動が始まっています。

 今回、支部設立の中心的役割を担った三田(さんた)副代表理事と落水新支部長は、「91年6月、死者行方不明者43名と9名の負傷者を出す大惨事となった『雲仙普賢岳大火砕流』時には、全国の同友会から多額の義援金等の支援をいただきました。そのときの感謝の念を今も忘れることができません。お陰様で島原半島は、『人と火山が共生しているジオパーク』として、今年8月、日本最初の『世界ジオパーク』に認定されるまで復興することができました」と話しています。

 島原城など貴重な歴史遺産を中心とした観光業、温泉、豊富な湧き水、そしてじゃが芋の生産量が北海道に次いで全国2位を誇る肥沃な大地など、豊かな地域資源を有する島原支部の今後は、地域と共に発展あるのみです。

「中小企業家しんぶん」 2009年 12月 15日号より