【経済データを読む】年齢階級別人口の推移と見通し

 表とグラフは年齢階級別人口の推移と見通し(厚生労働省人口統計調査と国立社会保障・人口問題研究所の将来推計より)と、5年ごとの経済成長率の平均値です。

 日本の1960年代の10%を超える高度成長を支えたのは、豊富な15~64歳人口と、高齢人口の少なさであったことがうかがえる数字です。戦後復興から、子どもの多さと人口の伸びが豊富な労働力を提供してきましたが、1997年に子どもと高齢者の比率が逆転し、2008年には人口減少もはじまっています。この10年で急成長を続けた中国は、日本の高度成長期の人口構造に似ています。

 今後の推移予想を見れば、2020年までは人口減もまだ少なく、15~64歳人口もかろうじて60%を保っていますが、2050年から大幅な人口減、労働力減、40%の高齢化が見通されています。この10年で若い人が増える環境、つまり地域で働き、子どもを育てる環境をどれだけ多く創れるかどうかが日本の未来を決めるといえるでしょう。

「中小企業家しんぶん」 2010年 3月 25日号より