口蹄疫問題に関する特別調査~経営への影響「ある」66%【宮崎】

 宮崎県内で口蹄疫に感染した疑いのある一例目が確認されてから2カ月が過ぎました。宮崎同友会では、4~6月期の景況調査のなかで特別調査として口蹄疫問題に関する特別調査を行いました。その中間集計の報告です。

回答企業116社のうち、「5月以降、口蹄疫問題が直接または間接的に要因だと思われる経営への影響はありますか」という質問に対して、「ある」と回答した企業は76件、66%にのぼりました。そして、「ある」と回答した企業の92%(70件)で、売上が減少しています(図1)。その原因は、イベントや式典の中止・延期が最も高くて32件、ついで一般客の減少が28件となっています(複数回答。図2)。

 売上の減少率は、前年の5月の売上と比べて20%未満が70%です。しかし、それらの企業も今後の見通しについての記述欄には、「展示会をしても人が集まらない、人が外に出ない」「県の非常事態宣言以降の自粛ムードにより、イベントの中止、公共施設の閉館など、サービス業を起点として、小売り・卸売りなどの流通業へも大きな影響がでている。今後の経営への影響でもかなりの覚悟が必要」といった意見を寄せています。売上が50%以上の減少という企業も5社ありました。

 さらに「売上の減少に伴い、資金繰りが悪化してきている。雇用の維持にも影響がでそう」「施工中の畜舎建設工事がストップした。工事代金の回収ができない。受注している工事も手をつけられない状況」「県の中小企業融資制度の口蹄疫緊急対策貸付の認定書をもらい、金融機関に行ったが、融資の目処(めど)が立っていない。融資に必要な書類の中で一番重要視されていない書類がこの認定書であった」「口蹄疫問題は、単なる家畜の伝染病だけでなく、地域を崩壊させるほどの大問題であることを、国や国民に知ってもらう必要がある」という声もあります。

 6月19日から28日までは新たな感染疑いの発生の報告がありません。「このまま終息に」とは、全県民の願いであり、口蹄疫終息の次の課題は、県経済浮上にむけての県民一丸となっての取り組みです。

「中小企業家しんぶん」 2010年 7月 5日号より