わが社の通知表「企業変革支援プログラム」(有)エイペックス 代表取締役 堀切千明氏(鹿児島)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】4

 『企業変革支援プログラム・ステップ1』を活用し、企業課題の明確化、社員との現状認識の共有化、経営指針の実践など、「企業変革」に向けてチャレンジしている事例(企業)と、それを促進する事例(同友会)を紹介する本シリーズ。

 今回は、『企業変革支援プログラム・ステップ1』を活用して自社分析を行った堀切千明・(有)エイペックス代表取締役(鹿児島)の体験談を、鹿児島同友会ニュース『ひっ飛べ通信』から転載して紹介します。

 結果は「1・9」…。これがわが社の通知表でした。

 『企業変革支援プログラム・ステップ1』を幹部社員といっしょに実施したところ、ほとんどが5段階評価の「2」。残念ながらこれが今の当社の現状です。

 『企業変革支援プログラム・ステップ1』は、経営における「貸借対照表」のような役割を果たしているように感じました。過去ではなく、今現在の自社の状況を正確に映し出してくれるもの、いわば「企業の通知表」です。

 どこができていて、どこができていないか、だけでなく、「次に何をやればいいか」を明確に教えてくれています。つまり、現状が「2」なら、「3」になるには何をすればいいかが書いてあるのです。

 例えば、『企業変革支援プログラム・ステップ1』のⅡ‐(4)「経営方針と経営計画の実行と評価」の項で、「成熟度レベル」の「2」では、経営計画の実績検討会が行われ、方針や計画の実行状況の把握がされている、となっています。

 そして「成熟度レベル」の「3」では方針・計画の進捗状況が把握、評価され、計画との差異についての原因分析と対策がなされている、となっています。

 当社でも「1日月次」を実行し、「業績検討会議」をやりますが、『評価』するという面は欠けていました。このように、自社に何が足りないかを教えてくれるのが『企業変革支援プログラム・ステップ1』なのです。

 また、私はこのプログラム全体を通して「全社的な仕組み」という言葉が印象に残っています。企業は社員、顧客、地域のために、小さくても長く長く営み続けなければなりません。それを考えたとき、社長の力量や思いつきだけで方針や計画を決めるべきではないと改めて感じました。

 社長の寿命より会社の寿命は長いのですから、社長の「好き嫌い」や「その日の気分」で判断が変わることがないよう、あらゆることに「全社的な仕組み」をつくりあげ、社員が主体的・自発的に行動できるような社風をつくらなければいけないと、「その日の気分」で経営をしている自分自身、反省でした。

 12月に今期が終わったら、またこのプログラムに再チャレンジします! 今度はせめて「2・5」には…。

「中小企業家しんぶん」 2010年 10月 5日号より