よい会社づくりは自らの変革から 大和化学工業(株) 代表取締役会長 平山 雅英氏(奈良)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】28

 企業変革支援プログラムの活用事例を紹介する本シリーズ。今回は大和化学工業(株)代表取締役会長の平山雅英氏(奈良同友会)の実践を紹介します。

 奈良同友会の代表理事であり会員企業に「企業変革支援プログラムステップ1」(以下、ステップ1)を推進する立場にある大和化学工業(株)の平山会長は、今では自社でこのプログラムを積極的に取り入れていますが、当初はすんなり受け入れられるものではありませんでした。

 3年前、奈良同友会の経営指針成文化セミナーに初参加しますが、当初はセミナー参加もあまり必要には感じていませんでした。しかし参加する中で、経営理念や自社の立ち位置、再考しなければならない多くのことに気づきます。

 また第42回中同協総会(in大分)の第6分科会「同友会の英知に学び、経営指針実践運動へ」での中村高明氏((株)紀之国屋・代表取締役会長、福岡同友会)と林田浩暢氏((資)若竹屋酒造場・代表取締役、福岡同友会)の報告で、同友会がめざす企業づくりに確信を深めます。

 3年前を振り返り、「何で俺が変わらなあかんねん、と思っていた」と語る平山氏。しかし経営指針成文化セミナーに参加し、「労使見解」に触れる中で会社の変革は、自らの変革なくしてはできないことに気づきます。

 そんな思いでステップ1を手に取り、最初はレベル4だ、5だと自社を評価し、できていると喜んでいました。しかし何度もやる中で課題が見えてきました。ステップ1は、自らをチェック(セルフアセスメント)するものということが本当に分かってきたのです。今では、ステップ1の冊子の表紙がボロボロになるほど、繰り返し活用しています。

 「ステップ1に取り組んで正解でした」と言う平山氏。現在は、理念を実践する過程の弱さや、人を生かす経営の大切さを改めて認識し、部門別会議開催など実践へつなげつつあります。「よい会社をつくるには、やはり『経営者の自己変革』、そして『気づき』に尽きます。ステップ1の取り組みは、今はまだ、自分と社長の取り組みですが、幹部社員も取り組めるような会社をめざしたい」と語る平山氏です。

「中小企業家しんぶん」 2012年 11月 5日号より