晶和電気工業滋賀発電所を稼働

晶和電気工業(株) 取締役滋賀営業所長 山口秀樹氏

 京都同友会会員企業の晶和電気工業(株)の滋賀営業所(甲賀市水口町3大寺)山口秀樹取締役滋賀営業所長に、10月6日に稼働した「晶和電気工業滋賀発電所」について話をお聞きしました。

 晶和電気工業(株)本社は京都市南区。荒井眞澄代表取締役社長が京都同友会の会員となっています。電気工事業、情報処理業、機械内配線工事、環境機器、産業設備、家電販売、フィリピン現地工事など幅広く事業を行っています。1974年に発足、厳しい工程管理・品質管理を伴う競争にもまれながら技術力を養い、京都・滋賀の中堅電気設備工事会社として成長してきました。

 同社では、官公庁の公共工事が減少し、景気の低迷で民間の需要が縮小傾向にある中、従来の電気工事業だけに頼らない経営の確立に向け、太陽光発電や風力発電などの環境事業、照明器具、生ごみ処理機の販売などにも取り組み始めました。

 滋賀営業所は1990年に開設され23年になり、社員は10名。開設の1年前から滋賀に入り営業を続けてきた山口所長は「はじめてやる、誰もやらない、したがらないような工事を施工・管理するのが晶和電気工業です」といいます。その分専門的な資格も必要で、会社の休憩室で社員と一緒に学び合い、資格取得の勉強をしたりと社員教育にも熱心でした。

 「現場にいっしょにいってすべて目で確認し、注意しながら施工管理しています」と語る山口所長。全国にある灯台は以前送電でつながれていましたが、現在大きな灯台を除き、太陽光発電と蓄電を組み合わせてエコな灯台になっています。その太陽光発電への切り替え工事も手掛け、誰もいかないような孤島にもいったりしました。

 また、明石海峡大橋の橋脚にカメラを付ける工事では、ロープでつながれながらの工事も手掛けました。その他、生ゴミ、紙おむつや琵琶湖のブラックバスの炭化処理など環境事業にも取り組んでいます。

 太陽光発電事業は7年前と比較的早く事業を展開。2007年に県下最大級のお菓子製造を行う(株)たねや愛知川工場の170キロワットの大規模太陽光発電設備工事、滋賀医科大学や愛荘町立愛知川中学校の太陽光発電設備工事など大型設備の施工実績を積み重ねるとともに、2001年の草津烏丸(からすま)半島の風力発電施設「くさつ夢風車」設置工事にも協力会社として施工に協力しました。

 太陽光発電事業は今年7月に固定価格買取制度が始まり、お客様からの問い合わせが増えてくるようになりました。山口所長はまずは自分のところで試してみようと、滋賀営業所建物屋根に発電出力12・6キロワット(住宅4軒分の使用電力に相当)の太陽光発電システムを自社の設計・施工で設置。10月6日にパワーコンディショナー(変換装置)スイッチを入れる送電式典を行い、経済産業省認可の「晶和電気工業滋賀発電所」として売電(全量買取り)を開始しました。

 山口所長は、「滋賀営業所が今日を迎えることができたのも、ひとえに地域の皆さまのおかげ。大変感謝しています。営業所に設置した太陽光発電は、災害時などに停電が発生した場合に近隣の方々の非常用電源として携帯電話充電や炊飯などに使っていただきたいと外部コンセントを設置した」など地域への貢献を熱く語っていました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 12月 5日号より