意匠・商標を巡る最近の状況~外国への出願も増加中

【経営者のための知的財産入門】(5)

 今回は、意匠・商標を巡る最近の状況などについて紹介します。

Q.意匠出願する目的は?

A.2006(平成18)年度のアンケート調査によると、最も多い目的は「他社による模倣品・類似製品対策」、その他としては、「自社製品のブランド力の強化」「他社への侵害性回避(他社の権利を侵害しないために意匠出願すること)」「特許権の補完」という目的が挙げられています(図1を参照)。

Q.意匠の出願が多い分野は?

A.一番多い分野は電気電子機器・通信機器、2番目は事務用品・販売用品、3番目は生活用品の分野になります(2012年)。

Q.商標の出願が多い商品・サービスの区分は?

A.一番多い区分は理化学・配電・電気通信機器(第9類)、2番目は広告(第35類)、3番目は教育・娯楽(第41類)、4番目はコーヒー・調味料・菓子(第30類)の区分になります(2012年)。

Q.商標権はどれくらい使われているの?

A.国内での商標所有件数約148万件のうち約7割が利用されています(2011年度)。

Q.意匠や商標も特許と同様で日本から外国への出願が増えてきているのか?

A.増加傾向にあります。意匠については、中国と米国への出願は依然として増加傾向が続き、特に中国への出願件数の増加は顕著です。商標については、2009年以降中国への出願件数の増加が顕著です。

 次回は、中小企業の知財活動の現状についてご紹介します。

特許庁普及支援課産業財産権専門官 佐藤 ちづる

「中小企業家しんぶん」 2013年 9月 5日号より