中小の技術で深海へ 「江戸っ子1号」深海撮影に成功!

 東京・下町の町工場などが共同開発した無人深海探査機「江戸っ子1号」が、11月24日に日本海溝の水深約7,800メートル付近で深海魚の撮影に成功し帰港しました。公式記録にはなりませんでしたが、深海7,800メートルの3D撮影は世界で始めてのことです。

 「江戸っ子1号」は東京の中小企業数社が連携して開発した無人探査機です。その1社の中に東京同友会会員の浜野慶一氏((株)浜野製作所代表取締役)が参加しています(浜野氏の経営実践については本紙1月25日号に紹介予定)。

 今回の企画は中小企業のネットワークでそれぞれの技術を活かし、新たな市場創造・下請け構造からの脱却として始まりました。従来の深海調査は探査機製作と調査にかかるコストは膨大になり、外国産の探査機を使用していました。そのため「江戸っ子1号」は国内産による低コストで手軽な探査機を目指し、各社で知恵を出し合い4年間取り組みました。

 9月に予定していた調査は台風の影響により延期、11月21日に改めて独立行政法人・海洋研究開発機構の調査研究船「かいよう」に「江戸っ子1号」が3台積まれ調査を開始しました。3台とも引き揚げられ船上で映像を確認、深海魚が泳ぎ餌を食べる姿に歓声が起こりました。

 今回の成功により「江戸っ子1号」の事業化を展開していく予定です。

 東京同友会の新年大賀詞交歓会では「江戸っ子1号」の調査を支援した独立行政法人・海洋研究開発機構の平朝彦理事長が「地球深部探査船『ちきゅう』の挑戦」として記念講演を行います。

東京同友会新年賀詞交歓会

日時 2014年1月24日(金)18時00分~19時50分
会場 京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿2-2-1)
会費 記念講演のみ: 2000円 ・ 記念講演+懇親会:9500円
記念講演 「地球深部探査船『ちきゅう』の挑戦」
講師 平 朝彦氏(独立行政法人 海洋研究開発機構理事長)
問い合わせ先 東京同友会 TEL:03-3261-7201

「中小企業家しんぶん」 2014年 1月 5日号より