第4回「コージェネレーション」

発電と地域暖房を組みあわせたエネルギー効率改善

 エネルギーシフトの第2の柱「コージェネレーションシステム」(以下コージェネ)をご存知でしょうか。略して「コージェネ」とも呼ばれています。

 コージェネとは、電気をつくり、電気をつくるときの排熱を暖房や給湯に利用して、エネルギー効率を格段に向上させ、総合効率で80%を可能にします。

 火力や原子力などの発電では熱を発生させ、水蒸気でタービンをまわして発電させています。水蒸気の温度は火力で約600度、原子力で約284度となっており、その水蒸気で発電し、発生した排熱を大量の海水で冷まして、海に放出させています。

 エネルギーを発電でしか使用していなく、エネルギー効率では、既存火力発電で4割程度、最新の高効率ボイラーでも6割弱となっています。原子力は3割程度。せっかくつくった熱エネルギーを海に捨てていることになります。

 さて、せっかく苦労してつくった電力でお湯を沸かしたり、暖房につかったりしたらどうなるでしょう。エネルギー効率は1~2割までさがってしまいます。

 そこで、発電とその排熱を利用したコージェネが重要となってきます。大規模発電ではできないことも、地域でまとまれば可能。地域に供給する発電と、その排熱を利用して地域暖房や給湯を行います。

 ドイツ、オーストリア・ギュッシングなどでは、このコージェネを推進しています。木質や家畜などバイオマスの施設のほか、工場排熱やフローリング工場からでる木質を原料にコージェネを行っています。

 表側で注目されている東京スカイツリーも裏側では地中熱利用やコージェネを行っています。日本では企業や工場からでる排熱は無駄にされ、原料として使えるものも廃棄物として処理され、有効に使われていません。地域で行うコージェネは、まさしく中小企業の新しい仕事づくりの分野と感じます。

(I)

「中小企業家しんぶん」 2014年 1月 15日号より