課題を率直に話し合う場として継続を 県条例制定2周年記念の集い【愛知】

愛知同友会

 愛知同友会は、「愛知県中小企業振興基本条例(以下、条例)」が制定された10月16日に日を合わせ、2周年を記念した集いを会員・事務局60名の参加のもとで開催しました。

 今回の集いは、施行された条例の具体的推進を狙いに置いている点に昨年の記念の集いとの違いがあります。とりわけ、産業振興会議などの会議体を設置しても、かたちだけのものとなってしまうことを懸念し、あえて設置しなかったなかで、条例の実質的な推進を目的とした経営課題別分科会を設け、愛知県行政との意見交換の場に位置づけた点に特徴があります。

 当日は全体会と分科会によって進行。全体会では、条例の施行を受けて愛知県が実施した「中小企業基本調査」の結果から、県内中小企業の抱える課題の特徴点や現行施策の課題を、条例を所管する愛知県産業労働部産業労働政策課の金田学主幹が報告し、現在の課題認識を共有しました。

 その報告を受けるかたちで、(1)条例の実現に向けた課題(金融問題含む)、(2)労使問題、ワークライフバランス、女性の活躍推進の課題、(3)採用、障害者雇用、人材育成の課題別分科会に分かれ、県の担当課長・主幹を交えた意見交換が行われました。

 参加した県の職員からは、現場の声、中小企業経営者の声を聴く場というのは意外に少なく、貴重な意見を聴くことができ有意義だった、との感想が寄せられました。

 また同友会側も、各社が取り組む人を生かす経営の推進が、実際にはさまざまな施策とも合致しており、日頃の経営実践に自信とさらなる意欲が生まれた、などの意見が出されました。

 今回の集いを通して、中小企業としては決しておごることなく、自らの襟を正しながら、人を生かす経営に徹底して取り組みつつ、そこでの課題や悩みを率直に出し合っていくことの意味を再認識するとともに、次年度以降も現場の課題を行政と率直に話し合う場として継続して開催できるよう努力していくことが双方より確認され、2周年の締めくくりとされました。

「中小企業家しんぶん」 2014年 11月 5日号より