会社は社員のためにある 家族の企業参観日-(株)タテイシ広美社(広島)

(株)タテイシ広美社

 1月17日、広島県府中市にある(株)タテイシ広美社(立石克昭社長、広島同友会代表理事)は社員の家族を対象とした企業参観を行いました。

 (株)タテイシ広美社は、LED電光表示システム(電光掲示板)や屋内外の看板の製造・設置を手掛け、情報を形にする「情報伝達業」の会社です。

 経営理念の1つは「社員の自立と豊かな幸せ」です。立石氏は社員が幸せになるために会社があると考えています。企業参観日は、社員が仕事をしている様子を家族にみてもらい、仕事に対する理解を深めてもらおうという試みです。4年前に1度行い、好評だったのを受けて今回が2回目の開催です。当日は、社員の家族や今年4月入社予定の内定者とその家族など21名が参加しました。

 最初に立石氏の会社説明、経営に対する思いを聞いた後、参加者は3つのグループに分かれて社内を見学しました。普段見ることのない、家族の働く様子や電光掲示板・看板の製造される様子に活発に質問が飛び出しました。

 「会社の方針が社員とその家族を大事にしていること、見学中、社員の対応が素晴らしかったことに感動した」、「看板業にとどまらない、幅広い仕事をしているとわかった」などといった感想が聞かれました。

 営業部長で後継予定の立石良典氏は「家族のみなさんと一緒に過ごすことで元気をもらった」と話していました。

 自分の家族がどこの会社で働いているかは知っていても、実際にどのような職場で、どのように働いているかを知る機会はなかなかありません。「今回のような企業参観(社員の家族に仕事を知ってもらう取り組み)が同友会内でも広がれば」と立石氏は話しています。

 立石氏は「故郷で錦を織り続ける」ことを大事にしています。中小企業の社会的役割の1つは雇用の場をつくることであり、地域に根ざした中小企業が増えることが地域の活性化につながるという考えからです。

 若者が地域に留まり、生活していくには、まず雇用の場がなくてはなりません。その雇用の場をつくることこそ中小企業の使命だと立石氏は語ります。

「中小企業家しんぶん」 2015年 2月 15日号より