強みを生かして革新的な仕事づくりへ 産学官連携仕事づくり研究会「AICL」発足【愛知】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】 49

愛知同友会

 愛知同友会では昨年産学官連携仕事づくり研究会AICL(Aichi Innovation Creative Link。アイクル)を立ち上げました。

 愛知県は全国的に見て、製造業はじめ産業全般で恵まれている地域です。しかし、愛知同友会会員3600名の多くは、経済の急激な変化や将来の不透明感などで現状のままでは不安があり、何か新しい仕事をつくりたい、新市場を構築したい、戦略のための情報収集をしたいなどの要望が高まっています。

 全国各地で企業連携の組織的な活動が行われている中、会員の要望に応えて、愛知の基本活動方針スローガン「同友会らしい黒字企業づくり」を基本に、愛知の強みを生かしながら仕事づくりのための活動を開始しました。

 AICLへの参加要件は、経営指針を成文化していること、または成文化に取り組んでいること。現在のメンバーは製造業、サービス業、IT関係、流通関係とさまざまな業種の会員23名です。2014年度はまずメンバーの業務内容や新規取り組み、各社の強みなどを知ることを目的として、年6回(偶数月)の例会で各社発表しました。また運営について事務局員含め6名の世話人をおき年6回(奇数月)の運営会議を実施しています。

 昨年、愛知同友会として地元の大学、名古屋市立大学、名城大学、愛知東邦大学との産学連携協定を締結しました。理工系との連携も取りやすい環境ができましたので、積極的に各学内の強みやニーズ(困りごと)を情報収集し、そして何よりわれわれ中小企業の強みを知ってもらうことが重要だと考えています。

 2015年度は、AICLメンバー間または産学官連携で新たな仕事を1件実現させることを目標とします。

 取り組み案として、(1)現在眠っている特許や知的財産を今の時代に新発想で活用できないか研究する、(2)他同友会の産学官連携グループや企業を訪問する、(3)行政関係者にも例会に参加してもらうなど、さまざまな活動展開を構想しています。

 また、この活動をもとに学生や学校関係者にも中小企業のことをより知ってもらい、就職活動につなげていくことも構想しています。

 そして活動の成果として、愛知の各企業の持つ革新性や創造性、独創力をつないで仕事をつくり出す研究会にしていきます。

愛知同友会産学連携担当 鳥越 豊

「中小企業家しんぶん」 2015年 3月 5日号より