「人材確保・育成」をテーマにパネルディスカッション【千葉】

憲章・条例推進月間の取り組み

千葉同友会

 千葉同友会は6月24日、千葉市文化センターで「実は私も困っています!~注目企業の社長が語る舞台裏と元気戦略の活用~」と題して千葉西支部と政策委員会・憲章/条例学習推進本部会議が合同でセミナーを開催し、65名が参加しました。

 基本テーマは「中小企業の人材確保・育成」。川西洋史・千葉同友会専務理事をコーディネーターに笹原繁司・綜合パトロール(株)代表取締役と柏原英輝・(株)BRAST代表取締役、大澤広久・(株)さわや代表取締役、また、二川健一郎・千葉県商工労働部経済政策課主幹の4名をパネリストにパネルディスカッションが行われました。

 警備業を営む笹原氏は生活保護者の就労を進めています。「これまで40名ほどを採用しました。話してみるとみんな自立を求めています。その人と向き合い、問い詰めることなくコミュニケーションをとることが大事。今はわれわれの想像を超えるような社員が入ってきます。経営者の求める人を探すというより、こちらが当たり前と思っていることでも知らないのが普通と思うぐらい、こちらが考え方を変えて粘り強く関わっていくことが必要」とまとめました。

 とび職の足場を設置する(株)BRASTの柏原氏は「これからは女性の時代」と男の職場と言われる中にあって女性社員を積極的に採用。「力仕事はできないものの、仕事を細分化して足場のシールを貼る仕事ならできると気づきました。そうした分業で生産性もかえってあがっています。また、社内には託児所を設置しています。同業他社にはない魅力づくりこそ人の集まらない中小企業には必要」と強調しました。

 「5年後には高齢化により廃業の危機に陥ることは明らか」と気づいた和菓子製造の(株)さわやの大澤氏はすぐに新卒採用に踏み切ります。「新卒採用の中堅社員が新入社員をフォローすることで難しい職人仕事も覚えていきます。採用の際は(株)さわやの理念に共感する人を採用しています」と報告しました。

 二川氏は「県が中小企業政策を作るにあたって中小企業の意見を聞くなどの義務が課されたことに千葉県中小企業振興条例制定の意義があります。千葉県の人口は2040年までに13%の80万人が減少し、生産年齢人口も激減する危機的未来が待っています。中小企業の皆様の意見を聞きながら『中小企業』と『教育』をテーマに学校の先生や生徒に向けて中小企業の魅力を発信するために地域の協力企業のリストの整備も始まっています。これを契機に地域を変えていきたい」と力強く話しました。

 最後に野水俊夫・千葉同友会条例/憲章推進本部長が「中小企業は柔軟な対応力なしには取り残されてしまいます。だからこそ新しいことに挑戦し続けることが重要です」とまとめました。

「中小企業家しんぶん」 2015年 7月 15日号より