青年部活動のつながりが、ドバイビジネスへの道を開く!【滋賀】

滋賀同友会

 2015年12月2日、長浜市の丸栄製パン(株)(辻井孝裕社長、滋賀同友会会員)へ中東のアラブ首長国連邦、ドバイより2人の経営者が視察に訪れました。滋賀同友会の会員で同じ青年部の仲間である(株)HONKI社長の石川朋之氏から「ドバイのパン屋さんの相談に乗ってもらえませんか」との依頼がきっかけです。

 石川氏は中小企業をはじめとした組織の新卒採用や人材開発がメインの仕事ですが、顧客の販路開拓も担っており、それがきっかけで単身ドバイに乗り込み地元で人的ネットワークをつくり現地で事務所を開設。滋賀同友会では海外ビジネス研究会にも所属し「地域とドバイの企業の橋渡しをする」ために奔走しています。

 今回視察に来たのは、ドバイで有数の企業グループであるT社の役員のN氏と、そのグループ企業で日本式パンショップを経営する企業Y社のゼネラルマネージャーであるE氏です。

 石川氏の依頼に応えた辻井氏が10月25日からドバイへ赴き、Y社を訪問。「現在2店舗の経営を拡大するために、生産性を向上しつつ商品のクオリティーを上げるには何が必要なのか?」をアドバイスしました。その内容は「新たな設備投資は必要ない。いまの設備を生かし人材をきちんと教育して、生産方式だけ変えれば充分に対応できる」というもの。そのアドバイスに驚いたN氏とE氏が、丸栄製パンの生産方式、人材、商品を見たいと訪問しました。その姿勢に応え辻井氏は自社の生産方式をすべて説明しました。

 日本の中小企業の技術力は世界トップ水準です。海外展開も物の販路や現地での生産を進めるだけでなく、自社にある技術を現地企業へコンサルティングする、社員の教育訓練という形で提供する道への貴重な足がかりとなりました。

 今回は同友会青年部でのつながりから、「町のパン屋さん」がドバイでのコンサルティングビジネスへと展開する可能性を生み出しました。自力でオンリーワンの企業づくりをめざしている同友会だからこそ、その仲間どうしのつながりが世界のビジネスへと広がっています。

「中小企業家しんぶん」 2016年 1月 25日号より