【第16回経営研究集会・和歌山】「事業承継」をテーマに2分科会を実施

報告者を務めた秋竹新吾氏

 和歌山同友会は第16回経営研究集会を10月15日、岩出市のホテルいとうにて開催しました。メインテーマは「事業承継~バトンを託す者と託される者~」とし、112名が参加しました。

 分科会は、バトンを託す側として、秋竹新吾氏((株)早和果樹園代表取締役)、バトンを託される側として、後和直樹氏((株)リカーショップ専務取締役)のそれぞれの報告がありました。

 秋竹氏の分科会 は「農業の6次産業化・地域活性化への挑戦!~寄り集まり集団の事業承継~」をテーマに、7戸のみかん専業農家で「早和共撰」としてスタートした同社が法人化し6次産業化を実現。生産部、加工部、営業部、総務部それぞれの責任者(取締役)の中から後継社長を選任するに際し、秋竹氏は「社長の心構え」「社長の覚悟」「リスクの大きさ」「社長のリーダーシップ」などを提示し、それぞれと面談を重ね、時間をかけて後継者たちの意見も集約した上で納得する形で確定。後任社長には「人を大切にする経営、人を生かす経営、人を幸せにする経営で安定した強い会社を構築してほしい」と報告がありました。

 もうひとつの分科会は「理念なき戦い~ベクトル合わせに苦悩する日々」をテーマに、後和氏が大手食品専門会社から帰郷し、家業のリカーショップゴワに入社してから現在に至るまでの軌跡を報告。歴史ある会社で既存のやり方、ベテラン社員との意思統一などに苦労しながらも時代のニーズにフレキシブルに対応し、業務の効率化、組織改革に着手。お客さまに対する考え方を「脱業者、目指せパートナー」とし、(飲食業の)お客さまの繁栄を一番に考え、お客さまと一緒に外食する人の多くの驚き、笑顔を生み出していきたいと思いを語りました。

 分科会終了後に行なわれた全体会では、来賓の中芝岩出市長から、「人材確保の問題や原材料の高騰など中小企業を取り巻く環境は依然厳しいものがありますが、このような時こそ、会員同士が学び、連携し、協力していく事が大切で、それがひいては豊かな地域をつくることになります。地域社会から必要とされる企業をめざして下さい」と激励のメッセージがありました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 11月 15日号より