成長するアジアに目を向ける 第6回日タイ中小企業ビジネスマッチング&セミナー【中同協】

 11月21~22日、タイ・バンコクにて、中同協企業連携推進連絡会タイ・ASEAN国際交流グループがチュラロンコン大学サシン経営大学院の協力を得て、第6回日タイ中小企業ビジネスマッチング&セミナーを6同友会および中同協から19名の参加で開催しました。

第6回日タイ中小企業ビジネスマッチング&セミナー

 今回は、開催直前にタイのプミポン国王が逝去され、スケジュールを変更しての開催となりました。1日目はセミナーを開催し、2日目はタイに進出している会員企業の現地法人を視察しました。

 1日目は、畑野吉雄・中同協企業連携推進連絡会代表から「世界を知ると視点が変わる~企業連携(人脈)が元気の源!」をテーマに基調報告があり、続いて大阪同友会の町井秀年氏(阪和化工機(株)代表取締役)より事例報告がありました。

 町井氏は、自社の「知的資産経営報告書」をもとに、経営指針の実践状況や、企業沿革、事業概要などを説明しながら、会社の知的資産バリューチェーン、技術の優位性、環境経営などの取り組みを紹介。自社の強みや経営指針の実践状況を「知的資産経営報告書」としてまとめ、自社を発信していくことが重要との報告がありました。その後、参加者より自社の取り組みの紹介がありました。

 午後からは、藤岡資正氏・チュラロンコン大学サシン経営大学院 サシン日本センター所長より「日本企業のリージョナル戦略~メコン地域の戦略的重要性を理解する」をテーマにセミナーが開催されました。藤岡氏はアジアとくにアセアンのメコン地域の投資額は、もうすでに中国への投資額を上回っていること。急速に経済成長しているが、経済の成長期としては中所得期に入っていること。今後、アジアに中間層が増えてくる中で、日本はグローバルな展開をめざすのではなく、成長するアジアに目を向けて、日本がアジアで生き残る力をつけることが重要ではないかと講演。これからは「Act regional Forget global」として、アセアンやアジア地域への戦略的課題に対して中小企業としても取り組むべきではないかと語りました。

 2日目は、日本フッソ工業(株)と理化工業(株)のタイ現地法人の工場を視察しました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 12月 25日号より