【中同協インド・スリランカ視察】新インダス文明、今、激しく発火

名古屋第一法律事務所 弁護士 加藤 洪太郎(愛知)

 中同協では12月10~16日にインド・スリランカ視察を行いました。視察に参加した加藤洪太郎氏(愛知同友会)のレポートを紹介します。

 現代日本やスリランカに広がる般若経。二千数百年前にこれを生み出したインドを訪れました。

 その地の人々は、近代に至って、数世紀に及ぶ略奪と侵略から、「不殺生戒」の教えによる非暴力闘争で独立を勝ち取る歴史をも刻む。

 独立インドは、グローバル化の現代に至っては、その人々のエネルギーが露天市場からサイバータウンにまで、つまりピンからキリにまで充ち満ちて溢れかえっていました。

 進出したSUZUKI自動車とその現地部品サプライヤーの「成功」が、ニューデリーを大渋滞とスモッグの名所にしているなど、新たな課題をも生み出す「繁栄」ぶりを目の当たりにしました。

 だがこれは、「始めの始まり」に過ぎないのでは…。

 13億人の大半が生産年齢層となる人口ボーナス期がこれから始まるのがインド。伸びしろが実に巨大。そこで、…ふと、ある予感が…。

 インドは今、再びあのインダス文明の繁栄へと激しく発火し始めているのだと。

スリランカは小型日本への道中?

 スリランカでは日本仕込みの5S運動やカイゼン競争を取り入れての成功企業を訪れました。600人の女工さんがスピード感いっぱいの縫製作業に。だが、それはadidasなどの下請け工場。日本の轍を踏むか、新たな人間尊重経営に進むか。

 深くとけいる仏教の般若と、日本の同友会との交流が、歴史を跳躍する英知を生み出すかも。

 わが同友会の幹事長のスピーチに大きく頷くダヤシリ氏のリーダーシップに希望をみる思いがいたしました。「中小企業憲章」をアジア、そして世界に!

「中小企業家しんぶん」 2017年 4月 15日号より