「好転」と「悪化」の傾向が混在する足元の景気は花冷え【同友会景況調査(DOR)119号(2017年1~3月期)速報発表】

〈調査要項〉
調査時点 2017年3月1~15日
調査対象 2,309 社
回答企業 918社(回答率39.8%)

 ※業況判断DI(デフュージョン・インデックス)は、好転企業が悪化企業を上回っている割合(%)をさす。DIが100に近いほど、好転企業の割合が高いことを意味し、DIが-100に近いほど、悪化企業の割合が高いことを意味している。好転、悪化が同数の場合は、DIは0となる。ほかの指標のDIも同じ考え方で作成されている。各水準DI以外、本文中特に断りがないものは前年同期比。

同友会景況調査の速報が発表されました。

世界経済の持ち直しで資源価格が再び上昇を始めたところに、トランプ大統領の就任で円安・ドル高の流れが重なりました。4月は価格改訂、値上げの時期でもあることから、価格転嫁が難しい中小企業は原材料高の波をかぶり、足元の景気は「花冷え」のように悪化の傾向を示す可能性をはらんでいます。

中小企業景気は、「好転」の指標(業況判断、売上高)と「悪化」の指標(業況水準、採算変化、採算水準、1人当たり売上高、1人当たり付加価値)が、全体でも業種別でも混在する状況となっています(図1)。

 業況判断DI(「好転」―「悪化」割合、前年同期比)の詳細を見ると、業種別では製造業のみ悪化、地域経済圏別では近畿と中国・四国が悪化、とりわけ近畿の低迷が続いています。企業規模別では100人未満の規模でマイナスから脱却し、改善しました。

次期以降の見通しも景気の好転、悪化の混在傾向が続き、先行きへの注意が必要です。

採算面では仕入単価DI(「上昇」―「下降」割合)がサービス業を除く全業種で急上昇、なかでも製造業の上昇が目立っており、コスト管理が一層重要になってきます。

経営上の問題点では「従業員の不足」の指摘割合が最も高くなり、人材不足の深刻度が増しています(図2)。自社を取り巻く環境の変化に注意を払うとともに、採用と社員教育の計画を再度見直すなど、先を見据えた経営がますます求められています。

速報の詳細は中同協ホームページをご覧下さい。

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「中小企業家しんぶん」 2017年 4月 15日号より