経営指針セミナーで増強運動進行中【栃木】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】72

栃木同友会では、2017年度経営指針セミナーが6月3日から12月2日までの計6回の予定で開催されています。会員以外の参加も受け入れているため、同友会未入会者の参加も多く、今期は会員・非会員合わせて19社20名が参加。

 斎藤秀樹・共に育つ部会会長((株)ウィステリコンパス代表取締役)をリーダーに、石綱知進副代表理事((株)共立代表取締役)、片平芳明氏(税理士法人児玉税経課長)が中心となって参加者の企業情報を踏まえた事前準備、セミナー後の振り返りを毎回丁寧に行い、参加企業1社1社の状況に沿って取り組んでいます。

 斎藤氏は「経営指針を導入する・実践するということについて、2年前までは『技術論』を意識し過ぎていたが、昨年中同協の行事に複数回参加することで、経営指針はあくまでも手段であり、目的は『社員を幸せにする&自社を良くする』という点が明確になった。『社員を幸せにする&自社を良くする』ことが主目的であることを前面に出すことで、セミナー内での参加者との一体感を強く感じられるようになった」と語ります。

 経営指針セミナーの卒業生の多くは、自らが発信源となり、各行事に積極的に参加し、報告者となり、役員となって、同友会活動をけん引しています。

 今回、非会員として参加していた植木揚子氏(植木鋼材(株)代表取締役)は、「これまでは正解じゃないと発言できないと思って消極的になってしまっていた。本当に悩んでいることをそのまま話せることがうれしい」と語り入会されました。

 栃木県内では事業性評価による査定のための銀行員教育がいくつかの金融機関で進められており、会員企業にもヒアリングが行われています。

 斎藤氏は「各銀行の取り組みは、同友会運動の1つの成果の現れであり、担保主義から脱却し、『地域経済を支える中小企業』を守り育む金融機関像が明らかになる取り組みになるでしょう。これを好機ととらえ、経営指針を成文化し、

実践する企業を増やすためにも、栃木同友会のニューリーダーの輩出に努めていきたい」と抱負を語りました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 8月 15日号より