環境問題を幅広い視点で捉えて~とかち支部環境部会13年間の活動振り返る【北海道】

会報誌「輩(やから)」発行

 北海道同友会とかち支部環境部会では、13年前の設立から活発な活動を行っています。北海道同友会唯一の環境部会として、この度会報誌「輩(やから)」を発行しました。長田正宏・環境部会長から部会の取り組みを紹介します。

環境部会誕生の経緯

 環境部会ができる前、十勝平野の西部にある清水町の会員から「水道が通っていないので地下水を利用しているが、ある日から臭いがするようになり飲めなくなった」という話があり、友人の会員と2人で専門家に匂いの原因を相談したところ、地下水の汚染が考えられると示唆されました。

 これを契機に、同友会で環境部会を作ってはどうかと当時の支部長に相談したところ「環境問題は幅が広く深い。まずは『拓の会(登録メンバー制による小グループ活動)』の中に環境グループをつくり活動してみては」とアドバイスがありました。

 そこで2002年に「拓の会環境グループ」を立ち上げ、視察と研さんを重ねてきました。2003年にはドイツとフランスを視察。ドイツのフライブルクでは、駅、学校、住宅と至る所に太陽光パネルが設置されていたのには驚かされました。ゴミ処理場におけるバイオガス発電施設が充実していることにもびっくりしました。

時代に合わせた活動を展開

 2004年に環境部会として発会し学びと活動を行ってきました。2015年には地球温暖化防止を目的に、部会員がカシワをドングリから育て、豊頃町の漁港の津波避難場や上士幌町の牧場に町民とともに植樹を行いました。

 これまでの主な視察先には、十勝川流域下水道浄化センター、チンネル最終処分場、キッコーマン本社、ワタミエコロジー、トヨタ自動車CSR環境部、伊賀の里モクモク手づくりファーム、北海道バイオエタノール、白糠町津波減勢工、種子島・屋久島エコツアーなどがあります。部会での学びと活動で、人と人のつながりが生まれ、共同で仕事が立ち上がったりもしています。

持続可能な社会をめざして

 今後の活動については、未来を担う子どもたちを少しでもよい環境で育てられるように、持続可能な社会を後世に残すための活動を行っていきたいです。また、企業人として「環境問題への取り組みを避けずに経済活動を行う」ことも提起していきたいです。環境部会として「行政への提言」も考えていく必要があります。企業の内側から環境というテーマで視座し、経済活動を進めることを実践していきたいです。

 発行した「輩」創刊号では、環境部会の生い立ちや成り立ちを知らない会員がいることから、部会ができた経緯と今後の活動について立ち上げにかかわった会員で座談会を行いました。13年間の詳細な歩みも紹介しています。

北海道とかち支部環境部会長 (有)NEEDS代表取締役 長田 正宏

中小企業家しんぶん北海道版1418号より転載

 「輩」は全26頁、定価500円(税込)。問い合わせは北海道同友会とかち支部(TEL:0155―22―3611)まで。

「中小企業家しんぶん」 2017年 12月 5日号より