輝く女性経営者が共に育つ環境づくり 兵庫同友会女性部長 藤原 都子氏(はみんぐふる社会保険労務士法人みやこ事務所 代表者)

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】83

 兵庫同友会では、女性部再開に向けて、2012年、2014年に要望書を事務局や正副代表理事・支部長会に提出し、2014年3月からは勉強会を開催して2015年に女性部準備会として「女性経営者研究会」という形で発足。その後2年あまりの学びを経て2018年設立(2017年11月理事会承認、2018年1月設立)に至りました。

 私は2010年に兵庫同友会に入会しました。2015年に「女性部を立ち上げたい」という熱いメールをいただき、そこに集う会員さんの思いに賛同して準備会のころから参加し活動していく中で、女性経営者の集まりであれば参加したいという人がいることを知りました。

 支部の幹事長を担っていた私の周囲からは「女性部なんて必要ない」という声も多くありました。その理由を考えてみると、何のために同友会活動をするのか説明もできず、組織運営が未熟な人の集まりだと見られてしまう側面があることに気づきました。

 2017年3月の研究会更新時に部長に就任することになったのですが、お引き受けする上で強い個性や多様性をまとめうるリーダーシップが必要だと感じました。風土改革の一環として良い情報だけを発信するよう意識して活動を続け、女性部設立が実現しました。

 活動方針は「組織運営を自社のために楽しんで取り組むこととし、学び方を学び、組織運営を学び、自社で実践すること」を重点においています。経営者が学ぶために必要なのは、ともに切磋琢磨して成長しあう本物の仲間です。本音で語りあえる本当の仲間づくりが広がり、組織が活性化していったらと思っています。

 同友会でめざす「人間尊重の経営」は、いかに人の自主性を引き出すかが重要だと捉え、女性部においては女性部メンバーの自主性を引き出すことに重点をおいた活動をしています。そのためには相手の立場や背景を理解し、思いを知って本音で対応することが大事です。

 女性部長として兵庫県の政策提言にかかわる機会があり、女性の起業について調べてみると、女性は小資本で起業・創業される方が多いことが分かりました。そういった方々にも学びの場を均等に提供できる同友会であってほしいと思っています。実際に、夜の時間帯に出席できないといった同友会活動を阻む女性経営者を取り巻く課題は多くあります。

 そのような課題を払拭できる活動を展開していくことで、輝く女性経営者が増え、地域がもっとよくなり、豊かな社会になったらいいなという思いで活動をしています。

(2018年9月7日2018年度第1回中同協女性部連絡会での実践報告より)

「中小企業家しんぶん」 2018年 11月 5日号より