2010年会員5万名、中小企業憲章推進へ
同友会の組織強化と情報化戦略。みんなで創ろう情報の輪

「今度の例会にだれが参加するのか知りたい」「参加者に事前にこの資料を配っておきたい」「前回の支部役員会では何が話されたのだろう」など、日常的な同友会活動の中で、会員としてもっと簡単に同友会の情報が得られ、共有できる仕組みがほしいという話がよく聞かれます。中同協では会員間の情報共有の場をインターネット上に設け、同友会活動を円滑に進める組織活動支援システム「e.doyu」(イードーユー)を、2005年の9月から導入しています(利用料は1ID当たり月額50円)。すでに46同友会3万名以上の会員に利用されています。2005年7月に千葉で行われた「中同協第37回定時総会」2日目全体会では、その紹介がありましたので、要旨を紹介します。

組織活動支援システム「e.doyu」とは

中同協情報化促進検討会 松島俊哉氏

愛知での運用実績を全国へ

 中同協情報化促進検討会は中同協幹事会の諮問機関として、2001年に発足し、インターネットの利用・運用するにあたっての提言・提案をしてきました。

 今回は、同友会の組織活動支援システム「e.doyu」(イードーユー)について紹介します。

 たとえば、これは支部活動に利用することで、支部の情報を共有し、会員による支部の自主運営を可能とするシステムです。

 愛知同友会が「あいどる」という組織活動支援システムを独自に開発・運用し、組織強化で着実な成果を挙げていますが、独自に開発するには各同友会での費用負担が大きくなります。これを中同協が一括して開発し、利用する同友会の利用料で運用していこうというものです。

導入の意義1 会員間での情報共有

 導入の意義の第1は、会員間でいつでも情報が共有できることです。同友会は「自主・民主・連帯」の組織運営を行っていますが、民主的運営のためには情報が常に会員に公開されている必要があります。今は、月1回の割合でしか資料が届かず、スパンが長い。しかも、その情報は1〜2カ月前のものです。

 これをインターネットを利用して提供するわけですが、一般的なホームページでは、対外的発信と会内向けの整理がつきません。e.doyuでは、会員それぞれにあった同友会の「書斎」を提供します。

 同友会はID、パスワードを皆さんに提供し、ある限られた空間に入っていただきます。

 たとえば、Aという支部に入って、Bという委員会に参加し、Cという研修会活動を行っている方には、A、B、Cの情報が提供されます。また違う会員の方ですと、たとえばBという委員会に参加するDという支部の方ですと、B、Dの情報が提供されます。ですから、皆さんが必要とされる情報をその会員の方の属性に応じて常に提供することができるのです。

導入の意義2 会員の声の集約・発信

 つぎに、同友会としては、会員の声を収集するという役割があります。中同協や各同友会で景況調査や各種調査を行っていますが、行政から何かの問題についてコメントを求められたりする場合、それに対する会員の声を集約することは時間もかかるし、コストもかかり、非常に困難です。

 しかし、e.doyuのアンケート機能を使って作成し、集約することで、さまざまなパブリックコメントに、短時間で、コストもかからず、多くの会員の意見を集めることができます。仮にみなさんの10%もの情報が集まったとすれば、統計上はとんでもない情報になります。

 さらにそれを全国会員データベースにある会員の地域、業種・業態、規模、設立年度、資本金などの情報で、3次元にも4次元にもわたる分析ができます。これを即座に行うことで、国や地方行政に非常に大きな提言力を持つことができます。これができる団体は、日本にはありませんし、世界でも類を見ないものとなるでしょう。ひいては、日本の中小企業の経営環境を変革、指導していく力を同友会が持つようになることも可能です。

導入の意義3 同友会活動の教訓・成果の積み上げが可能に

 e.doyuでは、例会案内が会員の「書斎」に届きます。参加したい場合は、参加ボタンを押すだけ。そうしますと、その書斎の中のスケジュールのなかにも何月何日、何という例会に参加することになっているという情報が盛り込まれます。企画側にとっては、だれがこの例会に参加するのかが分かるし、参加登録されていない人に、ボタン1つで案内を再送することもできます。

 また、参加登録した側からは、ほかにだれが参加するのか、事務局の手を煩わせることなく、参加者リストをみて、共有することができます。

 また、企画側からすれば、例会企画→案内する→案内情報の収集→実施→結果をレポートし、それをストックしていく、という一連の作業の結果・情報を生かすことができます。

 たとえば、「中小企業憲章」というキーワードで全文検索すれば、これまで憲章についてどのような検討が行われてきたのか、該当する文章を探し出すことができます。

 せっかく積み上げてきた活動が、たとえば役員が替わる、あるいは知らないことによって、ゼロからやらなければならないといった「のこぎり型」の活動から、「積み上げ型」の活動に変えていくことが可能になるわけです。

e.doyu推進 プロジェクト

 これを導入するにあたって、中同協では導入の支援を行っていきたいと考えています。導入にあたって、情報化をどう進めていくのかのビジョンを作り、それを理事会で承認していただきながら前に進んでいく形が望ましいと思いますが、そのビジョン作成の支援や、e.doyu推進プロジェクトを中同協では開催しています。6月に第1回のプロジェクトが開かれました。e.doyuを使っていこうと考えている同友会が、いろんな体験交流や問題点の解決などについて話し合いながら、情報化を前に進めていこうというグループです。さらに、個別設計や、会員管理システムも提供していきたいと思っています。

 また、8月から全国8カ所でe.doyuのブロック別説明会を開催させていただきます(別掲)。事務局の方や役員の方においでいただき、このシステムについてより深く知っていただきたい。連帯の力で、日本の経営環境の変革を同友会がになうといった観点から、ぜひ多くの同友会にご参加いただきたいと思っております。

e.doyuの機能

 e.doyuには、皆さんが参加しているグループの案内が発信できる掲示板や意見交換を行う電子会議室、同友会のスケジュール、同友会の文書がある書庫、行事参加登録システムやアンケートなどがあります。さらに、携帯電話で同友会の今の情報を知ることができる。つまり、同友会の情報を持ち歩くことができる、というシステムです。

 今現在、参加表明いただいている同友会は20同友会。1万41名の会員が、この9月以降から利用し、新たに「ITを駆使した団体」になっていくスタートを切ることになっています。ぜひ他の同友会でも検討いただき、e.doyuに参加いただきたいと思います。

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e.doyuとは?