昂然と胸を張って【2002年 年頭あいさつ】

昂然と胸を張って
2002年1月1日
中小企業家同友会全国協議会 会長 赤石 義博

 激浪にもたじろぐことなく、昂然(こうぜん)と胸を張り、新たな年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 今年は、年明けとともに、金融アセスメント法制定に向けて、一層力を強めねばなりません。中小企業は大企業と別個の経済発展の原動力であり、社会発展の源泉を担っています。それゆえ、中小企業の誕生の促進と共に、既存中小企業の活力を最大にする政策こそ肝要というOECDの96年勧告があります。

 しかし、金融検査基準一律適用や性急な不良債権処理、強引なペイオフ解禁論議など金融面に限定しても、政策の現状は、むしろ中小企業の困難を増幅し、活力をそぐ方向になっています。先駆的欧米諸国の実態を深く掘り下げ、真に経済の母胎を担う中小企業の繁栄に向けて、政策の大転換を実現せねばなりません。金融アセスメント法制定への運動は、その第一歩と考えます。

 二つ目の課題は、仕事と雇用の創出です。地域のくらしを支える活力を、と主張するからには、現実的にその力を示さねばなりません。IT活用、会内ネットワーク研究などで、新・複合分野など斬新で多面的な展開が望まれます。何よりも地域の主体的原動力たらんという使命感と情熱が期待されていると思います。

 三つ目の課題は、環境保全の取り組みです。同友会理念の究極の課題「生きる・くらしを守る・人間らしく生きる」を確かにするために、昨秋の全国交流会を一つの結節点として「より具体的に、より本質的に」を掲げて、大きな運動に高まることを願っています。

 四つ目は、こうした国民にとっても切実な課題を着実に前進させるためにも、仲間を増やさねばならないという課題です。全国くまなく実質的な支部活動で覆い尽くせるよう、増強もがんばって参りましょう。