【12.07.05】消費増税関連法案の衆議院での採択について【談話】

消費増税関連法案の衆議院での採択について

                    中小企業家同友会全国協議会(中同協)
                                 会長  鋤柄 修

 消費増税関連法案が6月26日の衆院本会議で可決されました。これから参院での審議がありますが、消費増税のさまざまな問題について意を尽くした審議を経ることなく採択されたことを憂慮するものです。

 中同協は「2013年度国の政策に対する中小企業家の要望・提言」において、「広範な国民と中小企業は、消費税率引き上げの賛否を問う前に、ムダな歳出の削減が中途半端なままで、電力料金の引き上げなど家計や企業の負担を求める議論ばかりが先行する状況に対して、まず『やるべきことをやってほしい』という意見が強まっている」と指摘し、「まず増税ありき」の姿勢を批判しています。

 また、「消費税は赤字でも納税額が発生するため、価格への完全転嫁ができない中小企業は現行の5%税率でも納税資金に苦慮している。消費税の滞納が常に国税の中で第1位を占めていることは中小企業が消費税の納税に苦慮していることを如実にものがたっている。消費税の税率が引き上げられそれを価格に完全に転嫁できなければ利益が減少することになる」と強調しています。同友会内のアンケートなど各種調査でも、10%税率になれば多くの中小企業は価格転嫁が困難になると応えています。東日本大震災の被災地からは「復興の足を引っぱる」という声も聞こえてきます。

 さらに、「消費税の税率引き上げは、企業の投資と雇用を削減し、国民の消費を縮小してデフレを悪化させ、税収増加にもつながらず、財政を悪化させる可能性もあるので、消費税の税率引き上げに反対する」(重点要望)とも表明してきました。消費が低迷し、デフレ経済から脱却できない中での消費増税や社会保険料等の負担増加は強烈な経済の縮小を招く危険性があります。

 私たちは、以上の懸念される諸問題についての参議院での真剣かつ慎重な審議を強く求めます。

                                  以上