同友会ニュース

【20.10.14】新型コロナウイルスに関する第5次緊急要望・提言を提出

 中同協は10月13日、 新型コロナウイルス感染拡大による中小企業への影響が長引いていることから「中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために〜新型コロナウイルスに関する第5次緊急要望・提言」を国会議員や中小企業庁に届けました。

中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために 新型コロナウイルスに関する第5次緊急要望・提言

 私たち中小企業家同友会全国協議会[略称・中同協]は、1969年(昭和44年)設立以来、自助努力による経営の安定・発展と、中小企業をとりまく経営環境を是正することに努めて参りました。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は、「大恐慌以来」とも言われるほど、各業界に未曾有の規模で極めて深刻な影響を与えており、多くの中小企業が倒産・廃業の危機に追い込まれる切迫した事態となっています。4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値は過去最大の落ち込みを示す結果となり、コロナ禍前の水準まで回復するには長期間を要するとの見方も少なくありません。
 多くの中小企業は支援施策も活用しながら社員の生活・雇用を守るために企業継続に必死の努力を続けています。新型コロナウイルスの影響の長期化が予想される中、それに対応した新たな支援施策も含め、支援施策を一層拡充していくことが求められています。雇用と地域社会を守り、日本経済崩壊の危機を防ぐためには中小企業の維持・発展が不可決であり、私たちは下記のような政策の実施を緊急に求めるものです。関係各位の早急なご協力、ご支援をお願いします。

<1.緊急対策>

1.経済・社会活動の本格的再開・継続のためにも検査体制の抜本的充実を
 経済・社会活動の本格的再開・継続が中小企業の維持・存続のためにも不可欠である。そのためにもPCR検査の抜本的拡大・強化を行うこと。検査の結果を踏まえ、エリア・業種などを絞って自粛要請と補償を行うこと。医療機関への経営面での支援、医療従事者への支援を強化すること。

2.給付金の拡充・強化
(1)持続化給付金の継続・拡充
 影響の長期化を踏まえ、1回限りではなく継続的に支給できる制度とすること。事業収入減少要件を緩和(拡充)し、より多くの企業を対象とすること。事業所単位での申請や店舗数等に応じた上限の引き上げなどを行うこと。創業間もない企業もより利用しやすい制度とすること。
(2)家賃補助給付金の拡充
 売上減少要件の対象期間を3〜4月まで拡大すること。貸主が借主の代表取締役の場合や、貸主と借主が親族の場合も適正な家賃支払いを行っている場合などは対象にすること。
(3)手続きの一層の簡素化・迅速な支給
 中小企業の給付金、補助金等については手続きの簡素化などが一定行われつつあるが、当会実施のアンケートでは一層の簡素化、迅速な支給を望む声も多い。手続きの一層の簡素化を進めるとともに、給付金、補助金等などの申請手続きをサポートする仕組みを強化すること。

3.多様な金融支援施策の拡充・強化
 多様な中小企業が存在することを踏まえ、多様な金融支援施策の一層の拡充・強化を進めること。
(1)長期資本性ローンの拡充
?8月3日に発表された「新型コロナ対策資本性劣後ローン」については、対象の拡充などが行われているが、より多くの中小企業にとって利用しやすいような長期資本性ローンになるように次の点について拡充・改善を進めていただきたい。1)金利をさらに低減し、使いやすくすること。2)協調融資をする地域金融機関は保証協会の保証制度も活用しながら利用促進を図ること。3)一括返済ができない場合に、期限の延長もしくは借り換えができるようにすること。4)金融機関において資本を逓減させる取り扱いは無いものとし一括償還まで資本とみなすこと。
?中小企業の激減を防止し雇用を守るため、借り手が返済期限を決められる長期資本性ローン(永久劣後ローン)を創設すること。

(2)「コロナ特別短期貸付」、「コロナ特別短期保証制度」の創設
 今後の影響の長期化や第二波の影響により追加的に資金調達が必要となる局面も想定されることから、迅速に資金調達が行われる貸付・保証制度として「コロナ特別短期貸付」、「コロナ特別短期保証制度」を創設すること。

(3)多様な金融支援施策の拡充・強化
 実質無利子・無担保融資制度の継続、既往債務の条件変更や借換の促進、新継続型短期保証制度の拡充、手形貸付や当座貸越枠の拡充などを進め、多様な方法で金融面からの支援を継続・強化すること。

4.雇用を守るための対策、雇用調整助成金の拡充・強化。安心して学べる環境
 雇用調整助成金の特例(緊急対応期間)については、12月までの延長がされたが、今後、新型コロナの影響の長期化も懸念される。状況に応じて期間の再延長を適宜行うこと。また、働きながら学校・大学に通う若者たちの生活を直撃していることから、安心して学べる環境の整備を国レベルで行うこと。

5.税金・社会保険料の減免など
 「持続化給付金」「家賃支援給付金」「雇用調整助成金」などは課税対象となっている。経営が困難な中小企業などを支援することが目的であるので、給付金などは非課税にすること。地域経済の崩壊・底割れを防ぐため、売上減少などの影響を受けた企業に対し、社会保険料の免除や法人税等の減免を実施すること。

6.中小企業の新規事業などへの支援
 長引く経済不況や「新しい生活様式」に対応するために、多くの中小企業が新規事業、新規業態へ展開に取り組んでいる。そのような企業に対する支援制度を拡充すること。テレワーク推進のための汎用PC購入についても補助の対象とすること。
 さまざまな業界で事業免許などに基準資産等が設定されていることがあるが、現在の状況を鑑み、許認可の更新に必要な要件を緩和するなど特例措置を設けること。例えば旅行業では5年に1度旅行業登録更新が必要であり、今年度の更新については条件が緩和されたが短期間で基準をクリアするのは大変困難であり、多数の廃業が生れることが懸念される。次回の更新を免除するなどの特例を設けること。

<2.経済対策、今後の対策>

1.消費課税の抜本的な見直し・インボイスの導入見送り
 かつてないほどの規模での景気の減退が進む中、消費を喚起し、日本経済の立て直しを図っていくために、消費税について、景気が回復するまで税率をゼロ%とすること。その際には、中小企業のレジ設定や料金表・ホームページ改訂など必要な対応を支援すること。中小・小規模事業者の死活問題である適格請求書等保存方式(インボイス)の導入を見送ること。加えて、現在の消費課税は低所得者や中小・小規模事業者ほど負担が大きい逆進性の問題や消費税を販売価格にすべて転嫁できず事業所が負担する実態があり、抜本的な見直しを行うこと。

2.国や地方自治体の地元中小企業への発注の増大
 地域経済・社会の担い手である中小企業を守るため、国や地方自治体は地元中小企業への発注を大幅に増加させること。受注企業が下請企業に発注する場合は、発注先の企業も地元限定にすること。
また、付加価値増大のためには、デフレ経済から脱却しなければならない。安定的、継続的な需要拡大のための財政政策を推進すること

3.地方分散型社会への転換、地域内の経済循環を促進する制度の支援
 ポストコロナへ向けた経済政策において、早急に中小企業憲章、中小企業振興基本条例にもとづく、地域経済再生の短期、中期の計画をたて、実行すること。
 今回のコロナ禍は大都市集中型の国土づくりの脆弱性を明らかにした。地方分散型社会への転換を進めるために、その担い手である中小企業の役割を重視し位置付けること。
 地域内の経済循環を図ることが早期の経済回復につながる。地元の飲⾷店や⽣活関連サービス等における消費を促し、域内循環を図るような取り組みを全国的に促進し支援すること。

4.中長期のビジョンの提起や議論
 当会が会員企業対象に実施した調査では、新型コロナ収束後のアフターコロナの経済・社会では、「デジタル化・IT化の推進」、「テレワーク・リモートワークの増加」、「地方分散型社会への転換」が進むとの回答が上位を占めている。一方で「経済格差・差別の拡大」が進むと見る人も少なくない。デジタル化や地方分散型社会の進展が経済格差の解消や人間尊重の社会につながり、国民が安心して暮らせるようなる新しい社会観・ライフスタイルを国として示して政策を実行していくこと。

以上

※当会が3月4日(第1次)および3月31日(第2次)、4月20日(第3次)、5月25日(第4次)に発表した緊急要望(当会ホームページ参照)についても、未実現の内容については、引き続き実現に向けて取り組んでいただくことを重ねて要望します。

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